これが実体験。迷惑行為を行う入居者への対応は?退去は難しい?

最近、俗な言い方ですが「こじらせた」入居者も増えているようです。

家賃滞納があるわけではないのに、他の入居者に迷惑をかけ、さらに入居者間でのトラブルもよく耳にするようになっています。大家さんも対応に困っており、特に「どうやって対処すれば良いのか」そして「行き過ぎた場合は退去してもらうことは可能なのか」に悩まれているようです。

そこで今回は実際に筆者が知っているトラブルを紹介しつつ、対応方法の一例を紹介します。

 

迷惑行為を行う入居者は利益減に繋がりかねない

家賃滞納は比較的古い時代からある問題でメジャーなものですが、迷惑入居者は最近増えてきていると感じる問題で、ある意味家賃滞納よりも問題が大きいものです。

迷惑入居者がいることで他の部屋の良好な入居者が嫌がって出ていってしまう、さらに次の入居者も早いうちに出ていってしまう可能性があり、長期の空室を複数抱えているのと同じことになってしまいます。

 

最近入居者の中でも増えている、新たな迷惑行為とは?

迷惑入居者には、例えばメジャーなところでパーティーやオーディオ等による深夜の騒音を出す人、ゴミ出しルールを守らないために共用部がカラスに荒らされてしまう等の被害を起こす人等があります。

しかし、最近耳にするのは、他の入居者に嫌がらせをする人です。

マンションやアパートであれば共同生活ですから、ある程度の音が隣室に聞こえるのは完全防音でない限りあり得ません。その音が常識の範囲内・常識の時間帯であれば入居者にはそれを受け入れる必要があります。

しかし、極端なことを言えば針が落ちる程度の音であったり、隣室の入居者が極めて気を遣って全く音を出さないようにしているような場合であったりしても、「うるさい」ということでクレームを入れる人もいます。

最近このような人の類型として新たに問題となっているのは、名前を書かずに隣室の入居者のドアに貼り紙をする、ポストにクレームの手紙を投函する、果ては客観的には問題を起こしていない隣室の入居者を盗撮する等してネットに上げる等の匿名性の高い嫌がらせをするケースが増えていることです。騒音など聞こえるはずもない2つ下の階の住民に対して嫌がらせをするようなケースも出てきています。

まるでその一棟のマンションが全部自分のものであり、自分の思い通りにならないと気が済まないような態度ですから、オーナーにとっての害が非常に大きくなる可能性があります。

騒音やゴミの問題であれば誰が迷惑入居者なのか特定しやすいのですが、このような嫌がらせをされると誰がやっているのかわからず、他の問題のない入居者が精神的に追い詰められて契約期間内でも退去してしまうことにつながってしまいます。

匿名での嫌がらせに対応することは手間もかかりますし、特定するのもかなり難しくなってきており、上記のようなケースに困っているオーナーも増えているようです。

 

迷惑行為を行う入居者はどのように対応するのがベスト?

私が詳しく知っているトラブルも、上記のような同じマンション内の他の入居者へ匿名で嫌がらせを行うケースでした。身の覚えのない紙がポストへ張られたり、郵便受けに投函されていたようです。

オーナーが自分の知り合いを入居させていて、その方が被害に遭ったためはっきり気付いたのですが、これに対応するためにはかなりの労力がかかったようです。

以下迷惑行為を行う入居者に対して行なった対応策をまとめます。

 

① 特定

まず、誰が嫌がらせをしているのか特定の作業が最も手間がかかったようです。

エントランスにオートロックがついたマンションですから、他の入居者の仕業であろうということは予測がついたのですが、貼り紙をしていたり、郵便受けに投函したり、写真を撮影したりしている現場を押さえない限り誰が迷惑入居者か分かりません。かといって、24時間体制で管理会社やオーナーが建物内を巡回しているわけにもいきません。

そこで、被害者のドアポスト付近の目立たないところに監視カメラを設置したようです。
被害者とも連携し、貼り紙や投函された手紙があったらいつのものか全て分かるように整理してもらいました。
その結果、同じ建物のある部屋の入居者が必ず写っていたようです。そして、貼り紙等をしに来る時間帯もほぼ同じでした。

 

② 現場を押さえる

ある程度貼り紙等の証拠が揃った段階で、現場を押さえることにしました。

その時間帯に管理会社の人に建物内にいてもらって、監視カメラに映った瞬間に連絡を取って取り押さえたところ、被害者の住んでいる階からは4つも離れた階の住人だったそうです。

仮に被害者が多少の生活音を出していたとしてもこれでは騒音等聞こえようもないのに、完全な嫌がらせ、犯罪ですね。

 

③ 警察に証拠を提出

証拠を揃えて監視カメラの映像を迷惑入居者に見せたのですが、のらりくらりとらちが明かないため、最後は警察に届け出ることにしたそうです。

もちろん被害に遭った住人も警察に行き、被害者として被害届を提出、管理会社は監視カメラ等の映像や貼り紙等の証拠を提出したわけで、かなりの手間がかかったそうです。

後で警察の調べで分かったことですが、その迷惑入居者は過去同じ建物内で何件も同じ手口の嫌がらせをしていて、早期に退去させた住人がかなりいたようです。

もちろんオーナーとその入居者との間の賃貸借契約は即時解約、即刻出ていってもらってオーナーの問題は解決したとのことでした。

このケースでは、顧問弁護士もちゃんとついている管理会社とオーナー、被害者の三者が連携を取って法律上問題がないように対応して解決したケースですが、管理会社がついていない場合はこれほどの対応が取れたかどうかは疑問です。

もしも管理会社がついていなかったらオーナーが直接対応しなければならなくなってしまいますし、対応しなければ入居者はどんどん減ってしまいます。

 

迷惑行為を行う入居者への対策

このような匿名性の高い迷惑入居者への対策ですが、これ!といった決定打/証拠がないor取るのが難しいのが現状です。

管理会社による巡回警備の頻度を増やしてもらうことも考えられますが、それだけでは防ぎきれない上に管理会社に支払う料金も割増しにされる可能性があります。

今からでもできる対応策としては契約当初に入居希望者と結ぶ賃貸借契約書の中にしっかりと「共同生活であるため他の住民に迷惑をかけないよう心掛ける」といった条項を盛り込むことが大切です。

旧来からの居住用物件の賃貸借契約書には、「常識でわかるでしょ」と、あまりこまごまとしたことは書いていなかったケースがほとんどでした。

しかし最近のREIT物件等の賃貸借契約書を見ると、わざわざ特約条項として書いているケースもあるほど生活上の注意が細かく書いてあるケースが増えてきています。具体的な内容は守秘義務の関係上伏せますが、管理会社や仲介業者と十分相談のうえ、ご自分の持っている物件について生活上の注意を特約条項で書いておくことが望ましいでしょう。

これらの条項を盛り込むことで、入居者によっては「うるさいオーナーだな」と思う人もいるかもしれませんが、生活態度の良好ないわゆる「質の高い入居者」であれば逆に安心してくれることもあります。

家賃が取れれば大丈夫と考えずに、入居後の入居者管理にまで気を配ったある程度細かい賃貸借契約書を作成して問題を起こさせないことがより重要になっています。

 

これが実体験。迷惑行為を行う入居者への対応は?退去は難しい?まとめ

それでは最後に、私の実体験を基にした迷惑行為を行う入居者への対応をまとめます。

  • 騒音等の分かりやすい迷惑行為だけではなく、匿名性の高い分かりにくい迷惑行為が増えている
  • 匿名での嫌がらせ等は誰がやっているのか分かりにくいので解決の手間は膨大になる
  • 迷惑入居者問題は、賃貸借契約書でまずは先手を打っておくべき

迷惑行為を行う入居者への対応は今からでも遅くないので早めに対策を取っておきたいところですね。

 

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