不動産投資信託(J-REIT)の銘柄選定のヒント⑤ -物流施設中心型-

物流施設中心型の不動産投資信託(J-REIT)を見ていきます。
物流施設とはいわゆる倉庫のことですが、基本的に不動産投資信託が投資する倉庫は5,000㎡以上の大規模倉庫が中心になっています。
物流施設中心の投資法人には、日本ロジスティクスファンド投資法人、GLP投資法人等があります。

物流施設の特徴

Amazon、楽天等の通信販売が日本全国に普及し、物流施設はその拠点として需要が増加している状況にあります。
物流施設の主なテナントは、ヤマト運輸や佐川急便等の物流業者です。
佐川急便がAmazonの荷受けから撤退し法人間物流中心にシフト、ヤマト運輸もAmazonに対して配送料の値上げを要求する等不確定要素はあるものの、ネット通販を中心とした通信販売市場は今後まだ拡大の余地はあると言えます。

この影響もあって、物流施設の需要は全国的に高まっており、物流施設中心に投資する投資法人も増えてきました。

物流施設の特徴は基本的に商業施設と同様、
①1テナントへの一棟貸が多いこと
②高速道路、港湾、空港等との連携が必要であるため、「そこでなければならない」という
テナント側の事情が強いこと
があげられます。

また賃貸借契約期間からみると、基本的に5年から10年といった比較的長期での賃貸借契約が多くなっているようです。

そのため、当面の間は物流施設中心型不動産投資信託の収益は安定していると考えて良いでしょう。

物流施設のリスク

物流施設特有のリスクは、以下のようなものがあげられます。

床面積あたりの賃料が低い

物流施設はどうしても郊外や臨海部に集中する傾向がありますし、規模も大きくなりがちです。
また、建物の建築コストもオフィスに比較すると低いため、㎡当たり、坪当たりの賃料はオフィス・住宅・商業施設等と比較すると低くなります。

内陸部・臨海部で賃料相場がかなり違う

東京都の場合ですが、臨海部(大田区東雲、品川区八潮等)の港湾運輸・航空運輸及び自動車での陸運のいずれにも対応できる交通インフラがそろっている地域と、内陸部の陸運のみにしか対応できない地域とでは、賃料水準がかなり異なっています。
交通インフラ自体は基本的に投資法人がどれだけ努力をしても変えられるものではないため、物流施設中心型不動産投資信託に投資する場合は、できるだけ高い賃料相場が形成されている地域に物件を持っている投資法人から検討していくべきでしょう。
倉庫の賃料相場は、たとえば以下のようなサイトで調べる事ができます。
・シービーアールイー株式会社のジャパンロジスティクスマーケットビュー
富士プラント株式会社の首都圏倉庫賃料相場情報

一棟貸の賃貸借契約が多い

商業施設と同様一棟貸の契約が多いため、テナントが退去してしまった場合は大きな空室が発生することになります。

まとめ

  • 通信販売の普及もあって物流不動産投資信託は注目されている
  • 物流不動産投資信託特有のリスクとして、交通インフラ整備状況等地域による賃料格差が大きい
  • 物流不動産投資信託に投資する場合は賃料相場を長期で見て有利な地域に物件を持っている投資法人から検討すべき

 

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