不動産投資信託(J-REIT)の銘柄選定のヒント⑥ -ホテル中心型-

ホテル中心型の不動産投資信託(J-REIT)を見ていきます。
ホテル中心型の投資法人には、ジャパン・ホテル・リート投資法人、星野リゾート・リート投資法人等があります。

ホテル中心型の特徴

ホテル業界は今東京都心部では非常に注目されています。
東京オリンピックの開催決定や訪日外国人観光客の増加によってホテル需要が高まっており、ホテル事業者やホテル中心型REITが相場よりはるかに高い値段で土地や物件を購入している事例もみられるようです。

しかしホテルと言っても、大まかに分けて以下のような3種類のタイプがあります。

  1. ラグジュアリーホテル(帝国ホテル等)
  2. ビジネスホテル(アパホテル・東急イン等)
  3. リゾートホテル(観光地の温泉付ホテル等)

ホテル中心型投資法人でも、これらのいずれかのタイプを中心に投資している場合が多いのですが、ここでは一般的なホテル中心型の特徴を説明します。

ホテルについては、オフィス・住宅・商業施設と比べて数が少なく、また運営主体(賃借人のこと。オペレーターとも言います)によってそのホテルの宿泊料金、カラー、サービス内容は千差万別ですから、賃料相場というものが形成されにくくなっています。
一般的にホテルの賃貸借契約はおおざっぱに言って「売上高の何%(厳密にはGross Operating Profitの何%ですが、煩雑なのでイメージとします)」というように決まっている場合が多くなっています。

また、オペレーターのホテル運営、収益構造、費用構造によってオペレーターが負担できる賃料水準は千差万別ですから、極端なことを言えば「同じ場所にある同じ物件を違うオペレーターが借りれば、違う賃料になる」形態であると言えます。

そのため、ホテル中心型REITでは、テナントにリスクを負わせる賃貸借契約形態としていることが多く、「売上が上がらなくても最低限支払わなければならない固定賃料+売上に応じて支払う歩合賃料」という契約形態もみられるようです。

ホテル中心型REITの場合、物件取得時にオペレーターと事業計画をある程度練って、事業期間内に見込む事ができるホテル運営収益から逆算して物件を仕入れることが多いようですから、当面の収益は確保されています。

ホテル中心型REITのリスク

しかしその一方で、現在のホテル需要が訪日外国人観光客の増加によって高まっている面もあるため、たとえば外国との為替レートの変動や海外の政治情勢の変動によって訪日外国人が極端に減少してしまうような場合、一気に値崩れしてしまうリスクがあります。

リゾートホテル・ビジネスホテルはなかなか用途変更も難しい形態ですから、そのようなときに物件をどうするのか、というリスクは一部で懸念されているところです。

また、ホテルを運営できるオペレーターの数も少ないことからオペレーターが倒産してしまったような場合、大きな打撃をこうむるリスクを有しています。

まとめ

  • 訪日観光客の増加でホテル業界は当面堅調と考えられる
  • オペレーターに収益の多寡がゆだねられる面が多い
  • 現在の需要は外国人観光客に支えられている面があるため、政治情勢や為替レートの変動で状況が急変するリスクを有している

 

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