不動産投資信託(J-REIT)の銘柄選定のヒント④ -住宅中心型-

住宅中心型の不動産投資信託(J-REIT)を見ていきます。
このタイプは、いわゆるマンションへの投資を投資法人が行っているものにあたります。
住宅中心型の投資法人には、積水ハウス・SIレジデンシャル投資法人、日本賃貸住宅投資法人等があります。

住宅中心型の特徴とメリット

住宅中心型の不動産投資信託は、一言で言えばマンションに投資します。
そのため、賃借人は居住目的の個人が中心です。
今現在日本は人口減少局面に入っていますが、東京・大阪・名古屋の大都市圏だけを見れば人口はどんどん増えています。
これは若い人を中心に進学・就職のために大都市圏に出てくる傾向がより強まっているからで、日本の人口は「減少局面、かつ都市部への集中局面にある」と言えるでしょう。
また、一人暮らし世代の増加、晩婚化の影響もあって1世帯当たりの人数が少なくなっている結果、大都市圏の世帯数も増えています。住宅は極端なことを言えば世帯数と同じだけ必要になるものですから、大都市圏の住宅需要、マンション需要は当面は増加し続けるものと考えられます。
住宅中心に投資している投資法人のポートフォリオを見ると、物件の大部分がこれらの大都市圏に集中しています。
そのため、当面の間住宅中心型不動産投資信託の物件に対する「借りたい需要」は増えるものと考えられるでしょう。

また、マンションの場合、たとえばある1室が空室となったとしても、①1室あたりの賃料総額は商業施設やオフィスに比べて低く、②商業施設のような「そこでなければならない」という借主側の事情は薄く、③借りたい人は都市部ではたくさんいるわけですから、すぐに次の入居者を募集する事ができますし、募集は容易です。
つまり、空室率が上がりにくく、稼働率が下がりにくいと言えます。
また、マンションはオフィスや商業施設に比べて賃料の変動が小さく、景気の影響も受けにくいため、賃料収入も安定しています。
これらのことから住宅中心型不動産投資信託の賃料収入は比較的安定しており、この安定性が他のタイプより優れている特徴と言えます。

住宅中心型のリスク

では、住宅中心型のリスクとは何でしょうか。
ご自身がマンションを借りられるときを想像してください。
不動産屋を回ったり、賃貸住宅情報誌を読んだり、インターネットで賃貸住宅情報を検索したりされた経験はどなたもあるかと思いますが、おおむねその地域のマンションの賃料の相場というものはある一定のレンジに決まってはいなかったでしょうか。
例えば、
ワンルームから1Kであれば5万円~6万円程度
1DKから1LDKであれば7万円~9万円程度
2LDKであれば8万円~10万円程度
3LDKであれば9万円~13万円程度
というようにです。
また、似たような交通条件、広さ、築年数の物件の数もたくさんあるはずです。

このように、マンションの場合は借主にとって「その地域の相場観の把握が比較的かんたんであること」、「検討の対象となる物件が多数あること」、この二つの理由のために、貸主である投資法人からみると、景気が良くなっても賃料増額が非常にしにくいというマイナス面を持っています。

収益は安定しているものの、あまり多くの増加は期待できない、これが住宅中心型不動産投資信託の特徴であると言えます。

まとめ

・住宅中心型不動産投資信託の物件は大都市圏に集中
・空室リスク、賃料下落リスクは低く安定している
・収益性は安定しているが賃料の増額もしにくく、あまり多くの収益増加は見込めない

 

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