サブリース契約のメリットとリスク〜管理委託の違いとは?

※2019年7月更新

これまで不動産賃貸管理について大切と思われる部分、盲点と思われる部分を概説してきましたが、管理はやることが多くて面倒だなあと思われた方も多いと思います。

そこで管理が面倒だと思われる投資家の方が考える方法の1つにサブリース契約の導入があります。

サブリース契約は、業者が一括で物件を借り上げ、入居者募集から賃貸管理まで全て行ってくれる契約です。物件に空室があってもサブリース期間中はオーナーに契約賃料が支払われるので、家賃保証とも言われます。

主に地主さんが物件を新築するときに契約が行われることが多いようですが、一般の不動産投資家が購入した中古物件についてもサブリース契約を結ぶ業者もいます。

オーナーさんにとってはとても楽そうなサブリース契約。しかし危険なリスクも存在するのです…

 

サブリース契約(家賃保証契約)の仕組み、概念


サブリース契約を簡単に言うと、貸主(オーナー)から借主(サブリース業者)が物件を全て一括で借り上げ、借り上げた物件を入居者(転借人、エンドユーザーとも言います)に転貸(いわゆるまた貸しです)をすることです。

業者は入居者からもらった家賃のうち、管理費や利益分を考慮して採算が合うと判断した賃料でオーナーとの間の一括貸賃料を決定します。

オーナー側から見ると、満室を前提とすれば直接入居者に貸した場合と比べてもらえる賃料の総額は下がりますが、賃貸物件の運用に伴う家賃の集金や手続き、物件管理を全て業者に任せることができること、物件に空室がある場合でも業者と契約したサブリース賃料は必ずもらえることがメリットです。

オーナーの側から見ると、面倒な管理運営は業者がやってくれて、空室があってもその部分の賃料を受け取れるからいいことづくめに思えます。

しかし、結論から言うとサブリース契約はあまりおすすめしません。

 

契約形式だけを見ると業者がリスクを丸抱えだが…

上の図をご覧ください。

サブリース契約では賃貸借契約は

  1. オーナーと業者の間の一括貸契約
  2. 業者と各入居者の間の契約

の2種類があります。

業者は入居者を募集して家賃をもらい、その家賃の合計からオーナーに対して一括貸契約分の賃料を支払うことになります。

ここで、不動産賃貸借に関するリスクを考えると、物件の築年が古くなると当然家賃は下がります。また、空室が発生するリスクもあります。

このサブリース契約の概念だけを見る限り、オーナーは物件が古くなって家賃水準が下がっても、サブリース業者からは一定の賃料をもらえるようになっています。
入居者が支払う賃料が下落して、オーナー・業者間の一括貸契約の賃料を下回っても、オーナーが同じ賃料をもらい続けられるのであれば良いでしょう。
不動産投資にまつわるリスクのうち、賃料変動リスクと空室リスクを業者に転嫁できたということになります。

しかし、業者も利益目的でやっていますので、そう簡単にはいきません。

 

業者は絶対に損をしないようになっている

物件を新築してサブリース契約をする場合、オーナーと業者との間の一括貸契約は10年~20年の比較的長期の契約を結ぶのが一般的です。長いものでは30年といったものもありました。

しかし、常識で考えればこれだけ長い期間、新築時もしくはサブリース契約締結時と同じ賃料水準で入居者を募集できるわけがありません。

建物が古くなれば当然家賃水準は下がってしまうからです。

入居者から業者が受け取れる家賃水準が下がって、オーナー・業者間の一括貸賃料が一定であれば、業者は逆ザヤになって損をしてしまいかねません。

それでは、業者も商売が成り立たないのでサブリース事業から撤退して淘汰されるはずですよね。

ここで業者はオーナーに対して一括貸の賃料を下げる交渉を始めます。

レオパレスのニュースを見ても記憶に新しいところですが、30年のサブリース契約であっても数年後には賃料改定交渉が始まり、オーナーが受け取ることができる賃料は下がってしまいます。オーナー、つまりサブリース契約を締結する不動産投資家は個人の場合が多いですから、業者とは賃料交渉の場数が違います。

結果的に、賃料交渉で主導権を取られて泣き寝入りするオーナーが多いのが実情です。

その他、入居者が支払う敷金や更新料等の一時金についても、オーナーに受け取る権限はありません。オーナーが受け取れる一時金は、あくまでサブリース業者との間の一括貸契約で敷金や保証金が約定されていればその部分だけで、サブリース期間中は一時金が入ってこないケースが多いと思ってください。

その一方でそれぞれの契約にもよりますが、物件補修費等はオーナー負担とするような業者もいるようですから注意が必要です。

 

注意!サブリースと管理委託は違う

マンション賃貸経営については、管理会社選びが重要だと他の記事でもお話ししてきましたが、サブリースと管理委託は違います。

多くの不動産投資家はサブリースよりも管理委託契約を利用しています。

管理委託はサブリースとは違って、家賃や一時金を受け取る権利はオーナーにあり、入居者募集・家賃の集金・物件の巡回等の管理運営業務のみを委託する契約です。

入居者から支払われる家賃のうち業者に支払う手数料は満室想定賃料の5%程度で、20~30%程度を抜かれるサブリース契約とは実質的に業者に支払う手数料からして異なります。

一時金を受け取る権利も管理委託の場合はオーナーに残っています。

 

まとめ

  • サブリースは業者にリスクを転嫁できるともみられるが、結局は損なことが多い
  • サブリース契約期間がいくら長くても、結局数年後には賃料減額交渉をされるケースが圧倒的に多い
  • サブリースと管理委託契約は異なる

 

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