【マンションオーナー】所有物件で殺人事件。損害や3つの対処法とは?

※2019年7月更新

東京都江東区でのマンション内バラバラ殺人事件、最近では神奈川県座間市のアパート内での殺人事件等、殺人に関するニュースはセンセーショナルであればあるほど大々的に報道され、同じ映像がテレビで繰り返し放送される傾向が強い状況です。

自分の物件内で殺人事件が起こってしまった場合、自分の物件が繰り返し全国的に放送されるマンションオーナーからすると大打撃ですから何とかしたいのがオーナーの心情ですが、自分の物件で殺人事件が起こること自体がレアケースであることもあって、対策には無頓着なオーナーも多いのが現状です。

 

殺人事件が起こった場合のオーナーにとっての損害

殺人事件はどこでいつ起こるのか予測することは不可能です。

繁華街やお酒を提供する店の密集地、いわゆる「モラルのあまり良くない所」のイメージが付きまとう場所だけではなく、高級住宅地であっても殺人事件は起きています。

こればかりは予測ができないのでオーナーや管理会社の管理努力によって完全に防げるものではないのですが、殺人事件が起きてしまった物件は入居者に嫌がられる物件になってしまい、その時点での物件の他の部屋に住んでいた入居者に一斉に退去されてしまうようなケースもあります

その後ほとぼりが冷め、報道も下火になった後であれば新しい入居者もつくのですが、家賃を大幅に下げなければいけなかったり、殺人事件が起こった部屋であれば次の入居者にそのことを告知する義務が生じたりと、当たり前ですが良いことは一つもありません

最近では大島てる氏による事故物件検索サイトも知名度を得てきており、入居者が過去の殺人事件の情報を調べることも簡単になっていますから、オーナーにとってはより深刻な問題です。

しかもそれだけではありません。例えば流血を伴うような方法での殺人があった部屋であれば、その部屋は総リフォームをかけなければ使えない部屋になってしまいますから、費用も高額になります。

更に悪いことにこのように物件からの収入が著しく減少し、さらにリフォーム費用で余計な費用の負担をしなければならない状態の時にもローンの返済や固定資産税・都市計画税等公租公課の支払い、管理費用は当たり前のように発生します。

 

殺人事件が起こった場合の対策や対処法

殺人事件が起こってしまった場合の対策としては、以下のようなものが考えられますが、根本的に影響をゼロにすることはできないと思っていただいた方が良いでしょう。

 

①物件イメージを変え、報道された被害を少なくする

リフォームには多額の費用がかかります。そのため物件名を変えることで認知度を減らすことができます。しかしネットの普及もあって情報はいつまでも残るため、この方法の有用性は年々低下していると考えざるを得ません。

大島てる氏の事故物件検索サイトでは、建物が建っている限りその位置に情報がプロットされます。
殺人事件等、いわゆる心理的瑕疵物件の告知に対する仲介業者の告知義務等も国の政策の締め付け等も手伝ってか近年は厳しく運用されていることもあって、万一殺人事件が起こってしまえば過去のように「ほとぼりが冷めたらおしまい」ではなくなっています。

 

② 家賃を下げて次の入居者を募集する

家賃さえ安ければ殺人事件のあった事故物件でも気にしない人はいます。ある意味騒音や悪臭等と同じ心理的な程度問題、人それぞれの考え方による主観的なものであるとも言えます。
しかし、いずれにせよ家賃を下げる交渉の材料にはなりますので、利回りは下がってしまいます。

 

③ 物件自体を売ってしまう

これには建物が残ったまま売ってしまう場合と、建物を取り壊して更地にして売ってしまう場合の二つがあります。建物が残ったまま売ってしまうケースでは、殺人事件のあった建物自体残ったままで売るので当然買主からは値下げ交渉の材料にされるでしょう。そもそも他の部屋の入居者まで退去してしまっており、空室率が非常に高い状態で売るような場合は実質的な利回りが極端に低いので二束三文で買い叩かれるケースもあります。

一方、更地にして売る場合は建物がなくなりますから、心理的な面から生まれる価格へのダメージは比較的小さいと言えます。ただし、建物の取り壊し費用は当然オーナー負担になります。

建物の取り壊しは前面の道路の広さや地型、建物の構造にもよりますから一概には言えませんが、一般的に木造でも坪5万円~10万円程度はかかります。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

【不動産投資】物件売却時、建物を取り壊すかどうか悩んだ時の判断基準。

また、そもそも殺人事件のあった部屋以外の他の部屋のうち、一つでも入居者が住んでいれば、居住権が発生していますからオーナーといえど自由に建物を取り壊すことはできません。

その場合、その入居者に転居費用を払って立ち退いてもらい、その後に建物を取り壊すという大きな交渉の手間と費用がかかることになってしまいます。

万一殺人事件が起こってしまった場合以上のような対策が考えられますが、どれも根本的な問題の解決にはなっておらず、オーナーの損害をゼロにすることはできません。

そのため、万一の場合に備えて自殺や他殺、孤独死等にも対応している火災保険に入っておく必要があると言えます。

保証内容は各保険商品によってまちまちですが、おおむねその部屋の原状回復費用を保証してくれるほか、6ヶ月から12ヶ月分程度の空室保証が付いているものもあります。

全国報道されてしまうようなレベルの殺人事件から受ける損害からすると、これでも焼け石に水のようなものですが、ないよりはマシです。

 

【マンションオーナー】所有物件で殺人事件。損害や3つの対処法とは?

  • 殺人事件はレアケースだが、どこでも起こり得る問題
  • 万一殺人事件が物件内で起これば、オーナーの損害は甚大なものになる
  • 報道されている最中だけではなく、ネット普及によって情報はいつまでも残るようになっている
  • 万一殺人事件が起こった場合、損害をゼロにする方法はないに等しい
  • 殺人事件の発生までを保証対象にしている保険には加入しておくべき

 

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