【2018年版】不動産の消費税還付 はまだまだできる!

今回は、不動産の消費税還付をご紹介させて頂きます。

皆様も一度は耳にしたことがあるかもしれません。

昔は自動販売機の設置で行っていたアレです(※かつての消費税還付ブーム参照)。

最近はあまり不動産の消費税還付の話を耳にしませんが、まだまだ可能なのです。

我々も投資家として不動産の消費税還付は行っており、還付するかどうかで、利回りが0.3-1%変わってきます。

また現金が手元に残るという事業拡大には必要なキャッシュポジションの大幅な改善が計れます。

不動産の消費税還付につき纏めてみましたので、ご参考までに一読頂けると幸いです。

不動産の消費税還付とは?

まずは消費税のご説明です。

消費税とは、消費者が物品などを購入した際に負担するものですが、一般の消費者は消費税を直接税務署へ納付はしません。

消費税は、「事業者」が売上先(消費者)から「預かった消費税」から、仕入先に「支払った消費税」を差し引いて納めるというのが原則です。

そのため、「預かった消費税」より「支払った消費税」のほうが多い場合には、払いすぎた消費税は還付されます。

これが一般的な消費税の解釈です。

不動産でいう消費税還付について説明致します。

土地活用や相続税対策で、アパート・マンションを建築した場合、その建築した建物のなかには「消費税」が含まれています。

建物代金の構成要素に既に消費税が入っているという事です。

例えば、建築代金が1億円(税抜き)だとすると、建築代金にかかる消費税は、現行税制の8%で800万円課され、投資家の皆様は1億800万円の建物代金を支払うことになります。
(※契約上は1億800万(消費税込み)という表記が一般的です)

不動産の消費税還付では、この800万を返してもらう、というのが目標となります。

しかし、アパート・マンションなどの居住用アパート/マンションでは、売上が「非課税」すなわち消費税の課税対象となる売上ではなく、原則的に消費税の申告義務もない、ということが生じます。

このため若干の工夫が必要になるのです。

かつての消費税還付ブーム

平成22年3月までは、「課税事業者選択届出書」を提出すれば、誰でも課税事業者となり、消費税還付申告が可能であったため、非常に多くの不動産投資家が消費税還付申告を行っていました。

不動産自体が高額なため、例えば建物部分だけで1億円(税抜)の不動産を購入した場合、800万円(8%)の消費税還付を受けることができたのです。

そして、資金繰りが重要なファクターとなる不動産投資業界で消費税還付ブームが巻き起こりました。

この不動産の消費税還付ブームの火付け役となったのが、自動販売機設置スキームです。家賃収入と違い、自動販売機の売上はすべて課税売上となります。

そのため、

  1. 消費税課税事業者選択届出により敢えて消費税課税事業者となる
  2. 不動産を購入・新築する、
  3. 家賃収入などの非課税売上を発生させない
  4. 自動販売機を設置して課税売上を発生させる

という上記4つの要件を同時に満たすことで、簡単に不動産の消費税還付を受けることができたのです。

平成22年の税制改正とは?

しかし、国はこれを問題視しました。

大家の消費税は免税にするという優遇措置を取ったにもかかわらず、敢えてその優遇措置を一時的に捨て多額の還付を受け、またすぐに優遇された免税事業者に戻るということをされたら、税収面への影響も出てきます。

このため、税制改正へと発展しました。

平成22年度税制改正で、「課税事業者選択届出書を提出してから、2年以内に不動産(調整対象固定資産)を購入・新築した場合には、その後3年間は免税事業者・簡易課税への変更ができない」ように法律の改正を行いました。

この改正の狙いは、課税売上割合が著しく変動したときの調整という制度の適用を受けさせることにありました。

この制度は、課税事業者が不動産を取得した後の3年間で課税売上割合が著しく変動した場合には3年後に調整をするという制度です。

課税売上割合とは、総売上高(非課税売上含む)に占める課税売上の割合のことで、次の式で表されます。

課税売上割合 = 課税売上 / (課税売上 + 非課税売上)

※課税売上 : 自販機売上・金地金売却・テナント賃貸収入・駐車場賃貸収入・Airbnb収入
※非課税売上 : 礼金・家賃(居住用)・預金利息・貸地料・土地の売却

平成22年度税制改正以前では、この「課税売上割合が著しく変動したときの調整」が起こる3年後に免税事業者または簡易課税へ変更することでこの制度の適用を回避することができました。

しかし改正以後は、不動産取得後3年間免税事業者・簡易課税への変更ができなくなり調整の対象となってしまう、という仕組みです。

平成22年の税制改正の盲点

平成22年度税制改正では不動産の消費税還付を完全に封じ込めることはできませんでした。

なぜなら抜け道があったからです。

消費税課税事業者選択届出の手続きにより消費税課税事業者となり、その後2年間は何もせず、3年後に不動産を購入するというスキームを使えば消費税還付を受けることができました。

この手法であれば「届出書を提出して課税事業者となって2年以内に不動産を取得する」という要件を外すことが可能だったからです。

課税事業者選択届出書を提出せずに、課税事業者となった場合は、還付金の返納の調整計算を行う必要がありませんでした。

このため、2期前に課税売上高を1000万円超発生させる等により、課税事業者となって不動産の消費税還付を行うことが可能でした。

平成28年度税制改正の内容とは?

そして、6年後の平成28年度税制改正で、平成22年度以降の消費税還付スキームを封じ込める改正案が発表されました。

平成28年度税制改正の内容は下記のとおりです。

高額資産を取得した場合における消費税の中小事業者に対する特例措置適用関係の見直し

  1. 事業者(免税事業者を除く。)が、簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に国内における高額資産の課税仕入れ又は高額資産の保税地域からの引取(以下「高額資産の仕入れ等」という。)を行った場合には、当該高額資産の仕入れ等の日の属する課税期間から当該課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間においては、事業者免税点制度及び簡易課税制度は、適用しない。
    (注)上記の「高額資産」とは、一取引単位につき、支払対価の額が税抜1,000万円以上の棚卸資産又は調整対象固定資産とする。
  2. 自ら建設等をした資産については、建設等に要した費用の額が税抜1,000万円以上となった日の属する課税期間から当該建設等が完了した日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間において、上記①の措置を講ずる。
  3. その他所要の措置を講ずる。
    (注)上記の改正は、平成28年4月1日以後に高額資産の仕入れ等を行った場合について適用する。ただし、平成27年12月31日までに契約した締結に基づき平成28年4月1日以後に高額資産の仕入れ等を行った場合には、適用しない。

つまり、簡易課税制度を適用していない消費税課税事業者が不動産を購入・新築した場合、その後3年間は免税事業者・簡易課税制度への変更はできないということです。

 

消費税還付を行うための3ステップ

Step1.課税事業者になる(引渡し事業年度)

課税事業者になってはじめて、消費税の計算が可能となります。

Step2.還付される状況を作る(不動産の引渡し)

建物引渡時に、一時的に課税売上割合が100%の状況をつくります。

Step3.還付金の返納を回避する(引渡しから3年後)

住居用建物には、還付金の返納をさせる規制があります。

前回お話した税制改正により、還付スキームも変化してきました。今後、不動産の消費税還付を行うためには、上記3ステップの「Step3.還付金の返納を回避する」について、工夫をしていく必要があります。

消費税還付を受けるポイント

では、「Step3.還付金の返納を回避する」について、やるべき工夫を具体的に見ていきたいと思います。

このStep3では、消費税の返納の調整計算は必ず強制されるため、調整計算の仕組みをみていきましょう。

前回紹介した通り、課税売上割合とは、総売上高(非課税売上含む)に占める課税売上の割合のことで、次の式で表されます。

課税売上割合 = 課税売上 / (課税売上 + 非課税売上)

※課税売上 : 自販機売上・金地金売却・テナント賃貸収入・駐車場賃貸収入・Airbnb収入
※非課税売上 : 礼金・家賃(居住用)・預金利息・貸地料・土地の売却

この「課税売上割合」が不動産の消費税還付に次のような意味を持ちます。

「不動産引渡年度の課税売上割合 = 消費税が還付される割合」となります。
「不動産引渡年度から3年間の累計の課税売上割合 < ①×50%」となると、一旦還付された消費税を返納しなければならなくなります。

これらをうまく管理していくことが不動産の消費税還付のポイントになります。
つまり課税売上のコントロールが非常に重要になってきます。
具体的な条件です。

条件1:

還付年度は、課税取引を行い、課税売上のみが生じる状況を作り出します。
申告時には課税事業者選択届出書を出し、少額の課税売上を生じさせ、物件の引き渡し月の家賃収入を排除すれば、不動産の消費税還付がされる条件が整うことです。

条件2:

引渡年度から3年間以内に、家賃収入と同等以上の課税売上を立たせます。

通算の課税売上割合が、50%超となるため、還付された消費税の返納する規制の対象外となります。

上記の2つの条件を満たすと消費税還付が可能となります。
正直要件を満たすだけなら、投資家自身でも簡単にできます。

但し、還付を受けるために難しい点として

  • 申告書を適切に作成すること
  • 税務当局からの問い合わせに対して適切に対応すること

この上記2点が非常に重要です。

これらに自信がある方は、是非投資家自身で還付をやられると面白いと思います。

課税売上を効率よく出すには?

現在の不動産投資家の中では、手間があまりかからず、かつ金額も大きい金地金の売買を法人名義で行うのが一般的です。

下記記事も参考にしてください。

メガ大家/高属性向け!消費税還付の為の金業者ランキング

小規模投資家/現金に制約のある投資家向け金業者ランキング

税理士の起用

我々の場合、やはり上述した難易度の高い部分は、税理士を起用して不動産の消費税還付を行っております。

ただ問題は、不動産の消費税還付を適切に指導できる税理士が少ない、というものです。

我々も“適切な税理士探し”にはかなり時間を要しましたが、いまでは3名の先生に順番にお願いしている状況です。

もし興味ございましたら、税理士の先生も無料紹介可能ですので、お問合せ下さい。

ご紹介できる税理士でも、“一度目は無料面談”となっておりますので、ご安心ください。

 

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まとめ

  1. まだまだ消費税還付は可能であり、不動産投資での事業拡大には重要な要素の1つ
  2. メガ大家の大部分は、消費税還付を行っている
  3. スキームはシンプルであり、ご自身でも対応は可能
  4. 確実な消費税還付のためには、税理士を起用したほうがお勧め
  5. 我々が起用している税理士の紹介も会員限定で行っており、お問合せ可能

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