【不動産投資】人口動態は東京一極集中

不動産投資の利益は、「物件保有期間中の賃料収入(運営費用を除いた純利益)+売却益」からなります。短期間の転売による利益(キャピタルゲイン)狙いでない限り短いものでもおおよそ10年、長いものであれば20年、30年といった長期間物件を保有し続ける長期投資で、その間入居者を安定的に確保する必要があります。

そのため、10年先、20年先を予測した上で、不動産を選択することが重要となります。

ここで、特にマンション投資の場合に絶対に抑えておきたいポイントが人口動態です。

人口動態は東京への一極集中

東京圏というと、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県の1都4県ですが、単にこの1都4県であれば単純に人口が増加しているかというと、そういうわけではありません。

主に都心に近い地域は人口増加傾向が続いていますが、山間部や都心から距離のある郊外の地域、例えば東京都であれば奥多摩地区、神奈川県であれば横浜市の横浜駅から南の地区の一部、千葉県であれば千葉駅まで電車で1時間前後程度かかる地域等については、すでに人口は微減傾向に転じています。

人口が増加している地域は、東京23区や川崎市、横浜市の中区・西区及びその周辺区等のような、主に都心部のオフィス街に近い交通利便性の高い地域、空港等の高速交通の要所に近い地域が中心になっています。

また、人口が減少している地域は、東京都心、神奈川の川崎駅・横浜駅・関内駅・みなとみらい周辺、千葉県の千葉駅・千葉中央駅周辺のビジネス街、埼玉県の浦和駅・大宮駅周辺等、いわゆる「働く場所」や「遊ぶ場所」といった、人の集まる地域への交通利便性が低い地域が中心となっており、都心への接近性がより重視されるようになってきました。

大都市圏というと大阪圏や名古屋圏もありますが、これらの地域でも事情は同様のようです。

 

一方、地方圏では人口減少が進んでいます。この原因は、企業の拠点が東京・大阪・名古屋の大都市圏に集中する傾向が強まった結果、地方部には若い人たちにとって満足のいく収入が得られる・納得のいく仕事ができるという条件を満たした働く場所が少ないため、若者を中心に進学や就職を機に大都市圏、特に東京圏に出ていってしまうということが大きなものとなっています。

 

地方部や、東京圏でも郊外の多摩ニュータウンのような大規模住宅地の開発は現在ではすでに需要が少ないためにあまり見られなくなっており、既存の住宅地における建物のスクラップ&ビルドを行っているのが大部分で、多数の人口が流入するような要因は一般的に少なくなっています。

 

その一方、東京圏の都心に近い地域ではすでに、流入する人口に対して居住に十分な土地が少なくなっており、土地を立体的に利用すること、つまりより高層のマンションを建築して同じ土地面積でも居住可能な人口を増やすというような事態になっています。

 

地方には仕事がなく満足な収入が得られないために東京圏に人口が流出してしまう。このトレンドは当面変わることがないでしょう。

日本の人口減少は近い将来ほぼ確実なことと考えられていますが、全般的に東京等の大都市圏への人口集中・地方部の人口減少が進み、人口の格差はより拡大していく方向に進むという予測は容易です。

 

ここから不動産投資を考えると、一般的なマンション投資としては、より都市部に近く将来的にも人口が増加すると見込まれる地域を優先的に選択することが、より安定して入居者を確保できるものと考えられます。

 人口動態の把握は、ここを見る

人口動態の把握は容易で、総務省が毎年「住民基本台帳人口移動報告」という統計を発表しています。(http://www.stat.go.jp/data/idou/6.htm

この中に、長期時系列表とう統計資料があり、エクセルデータで都道府県別・大都市別にその年度の人口増減が示されています。

この統計では、各都道府県や大都市からの転入者数、転出者数、転入超過数(転入者数-転出者数)等が発表されています。特に転入超過数を見れば、どの県が人口増加傾向にあり、どの県が人口減少傾向にあるか一目でわかるようになっています。

 

以下は、この統計をもとに平成18年~平成28年の東京圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)の転入超過数をグラフにまとめたものです。

以上のとおり、東京圏はここ10年間、ほぼ毎年5万人~10万人強程度の人口流入があることが分かります。

 

また、以下は同じように中部地方以北の東京圏の1都3県を除いた北海道・東北・北陸・北関東・中部の各地方の人口変動の合計を合算してグラフにまとめたものです。

 

以上のとおり、東京圏はここ10年間、ほぼ毎年5万人~10万人強程度の人口流入があることが分かります。

 

また、以下は同じように中部地方以北の東京圏の1都3県を除いた北海道・東北・北陸・北関東・中部の各地方の人口変動の合計を合算してグラフにまとめたものです。

 

平成28年度において、これらの道・県では、人口がプラス、つまり転出者より転入者の多かった道・県はありませんでした。

 

おおよそのならしでみると、毎年5万人ほどの人口流出があることが分かります。

 

この統計を見ても、人口が東京圏に集中していることが分かります。

 

尚、東京圏以外の大阪圏・愛知圏を見ても、大都市圏では人口増加、地方圏では人口減少となっています。

 投資物件を購入するなら東京・大阪・愛知の大都市圏を優先すべき

人口が集中する地域は基本的に「働く場所があって、十分な収入が期待できるだろう」と人々が考える地域です。

また、不動産投資という観点からみると人口が集中すればするほど住宅需要は高まりますから、空室リスクを下げることができます。

 

そのため、投資対象となる物件を検討する際には人口が集中傾向にある東京・大阪・愛知の大都市圏の物件を優先して検討すべきであるということが言えます。

 

地方圏でも人口増加傾向にある地方都市であれば投資リターンの期待はできる

住民基本台帳人口移動報告には、札幌市や仙台市、新潟市、静岡市等のいわゆる地方の大都市ごとの人口変動も統計対象となっています。

こちらでまとめられている転入超過数(平成28年度)をグラフにすると、以下のとおりでした。

 

このグラフから読み取れるとおり、東京都区部やさいたま市、横浜市、川崎市といった関東の大都市圏の人口増加は大きいですが、札幌市や広島市、福岡市といった地方部の大都市においても人口は増加しています。

投資対象の物件を検討する際、東京圏や大阪圏・名古屋圏等の大都市圏を優先して検討すべきですが、これらの地域では一般的に物件の価格は比較的高額ですから、利回りも地方圏に比べると低い傾向があります。

 

そのため、同じように人口が増加傾向にあれば、地方の都市圏の人口を分析して、これらの地域を検討することも良いでしょう。

 

もちろん、物件の個別性として、地方部の、しかも都市圏外にあっても、例えば大学が近くにあり移転の予定がない、大企業の工場等があってそこで働く人たちの賃貸住宅需要が期待できるといった要因もありますから、こういった分析も欠かすことはできません。

 

人口変動には、これまでにご紹介した住民基本台帳人口移動報告のほか、各都道府県や各市町村が、月ごとの人口推移・世帯数の推移を自治体ホームページで公開していますから、こういった資料を分析することも良い方法です。

 纏め

  • ここ十数年の間に、人口の東京圏への一極集中は顕著になっている
  • 将来の空室リスクを考えると、人口の増えている地域の物件に優先的に投資すべき
  • 人口の変動を把握するには、総務省の住民基本台帳移動報告が参考になる
  • 地方都市でも人口増加傾向の都市はあるので、これらも検討する価値は高い
  • より細かい地域による人口変動については、都道府県や市町村の出す人口推移も併せて検討すべき

 

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