仲介業者への売却依頼、専任媒介契約と一般媒介契約どちらがおすすめ?

物件を売却する際は、仲介業者に売却依頼をすることになります。

法律上は「仲介」のことを「媒介」と言いますが、宅建業法上、売却依頼の方法には大きく分けて「専任媒介契約」と「一般媒介契約」の2つがあります。

今回こちらの記事ではそれぞれのメリット・デメリットと、どちらを選ぶべきかをお話しします。

 

専任媒介契約と一般媒介契約の違い

専任媒介契約とは、物件売却の仲介をある特定の一社にしか依頼しないという契約です。

更に細かく専任媒介契約と専属専任媒介契約の二つに分けることができます。

この違いは、依頼主(売主)が自分で買主を見つけた場合に、専任媒介契約を結んだ仲介業者を通さずに売買取引ができるかどうかという点にあり、これを禁じているのが専属専任媒介契約、禁じていないのが専任媒介契約になります。それぞれ解説します。

 

専属専任媒介契約

専属専任媒介契約の場合、ご自分でその物件を買いたいという人を見つけても、仲介業者を通じての売買しか認められませんし、いずれの形態でも、専任媒介契約を結べば仲介業者は一定期間内にレインズ(不動産流通機構のこと。仲介業者であればこのデータベースで物件を検索できます)に物件を登録しなければなりません。

また専任媒介契約の場合は、仲介業者は売主に対して一定期間ごとに販売活動等の業務処理状況を報告するという義務を負います。尚、この報告は口頭でも電話でも文書でもメールでも方法はどれでも良いことになっています。

 

一般媒介契約

一般媒介契約は複数の仲介業者に同時に売却仲介を依頼できる契約です。
一般媒介契約に関しては、業者がレインズに物件情報を登録するかどうかは任意となっています。また、仲介業者は売主に対して業務状況を報告する義務は法令上はありません(売主が任意で報告を求めることは可能です)。

 

以上専任媒介契約、一般媒介契約違いを以下にまとめておきます。

 

専任媒介契約、一般媒介契約どちらがいいの?メリットは?

仲介業者の収入源は、仲介手数料です。

大まかに仲介手数料は物件価格のおよそ6%が上限ですが、これは「取引にかかわった業者全体で6%」という意味で、一社6%ではありません。

つまり、売主が依頼した仲介業者Aが自分の力で買主を見つけて取引が成立すればAは6%の手数料を受け取ることができます。これを「両手取引」と言います。
しかし、Aが他の仲介業者Bから紹介された買主が物件を購入した場合、仲介手数料は「AとBの合計で6%が上限」となりますから、単純計算Aが受け取れる仲介手数料は3%です。これを「片手取引」と言います。

当然仲介業者はできる限り両手取引を目指すことになります。

少しだけ裏話をすると仲介手数料は物件の売却金額にも左右されますから、仲介業者としては金額の大きな取引には注力して、金額の小さな取引にはあまり力を入れてくれないという業者もいます

 

基本は専任媒介契約だが…

売主としては仲介業者に一生懸命販売活動をして欲しいというのは当然です。

それを考えれば、仲介業者に報告義務があり、またレインズへの登録が義務付けられていることから物件の囲い込み等がしにくくなっている専任媒介契約でお任せすることが基本でしょう。

実際に買主を見つけられるかどうかは仲介業者の実力も関係しますが、仲介業者に全力で仕事をしてもらうということは非常に重要です。

それに、専任媒介契約であれば売主側の業者はただ一社なのですから、依頼を受けた仲介業者は少なくとも片手取引分の仲介手数料は見込むことができます。

これが一般媒介契約であれば複数の業者に売却を依頼するわけですから、業者にとって売り上げが上がるかどうかは未確定となります。そのため、あまり一生懸命販売活動を行ってくれないというようなことも起こり得ます。

尚、専任媒介契約を結ぶ際には依頼前の業者選定を十分注意して行う必要があるのは言うまでもありません。

 

売却をあまり公にしたくない時、秘密にしたい場合には?

事情のない不動産取引はありません。収益物件の出口戦略の一環として物件を売却するときもあれば、どうしても資金繰りに困って物件を手放さなければならない場合もあるでしょう。

この場合は専任媒介契約は向いていません。

なぜなら、専任媒介契約の場合、業者は媒介契約締結後一定期間以内に物件をレインズに登録しなければならないからです。レインズは登録業者であれば情報をいつでもすぐに検索することができますし、物件ビラもすぐ検索できるようになります。業者が負うレインズへの情報登録義務は法律で決められていますから、売主がいくら嫌だと言っても業者にはどうすることもできません。

そのため、売却をあまり公にしたくないという事情がある場合は、業者がレインズへの情報登録義務を負っていない一般媒介契約を選択するのがおすすめです。

ただし、通常の一般媒介契約では業者があまり一生懸命仕事をしてくれない可能性があります。

そのため、できるだけ多くの買主(潜在顧客)を抱えている仲介業者を探し、あまり売却情報を公にしたくないので契約の形式は一般媒介契約を採りますが、実際は御社にしか仲介を依頼しません、という話をする流れになるかと思います。

これであれば業者にとっては専任媒介契約とほぼ同じように仲介手数料の見込みは確保できますし、レインズへの登録義務がないので情報も最低限しか出回らないということになります。

纏め

  • 売買の仲介依頼には専任媒介契約と一般媒介契約がある
  • 業者にとって専任媒介契約は売上確保が見込めるため、より懸命に仕事をしてくれる可能性が高まる
  • 売却情報をあまり出回らせたくないようなケースは、一般媒介契約を選ぶのも方法の一つ

 

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