「市街化区域」と「市街化調整区域」どちらの不動産を選ぶべきか

不動産に携わっていない人は、あまり聞きなれないかもしれませんが、「市街化区域」と「市街化調整区域」という言葉があります。

不動産の立地を選定する上で関わってくることも多いかと思いますので、それぞれの説明と注意すべきポイントを説明します。

 なぜ「市街化区域」と「市街化調整区域」があるのか?

各都道府県は都市計画法に基づき、「一体の都市として総合的に整備・開発し、及び保全する必要がある区域」を「都市計画区域」として指定します。

都市計画区域は必要に応じて「市街化区域」と「市街化調整区域」とに区分され、これを通常「線引き」と呼びます。

首都圏整備法・近畿圏整備法・中部圏開発整備法による既成市街地など、および大都市に係る都市計画区域として政令で定めるものについては「線引き」が義務付けられています。

その他の都市計画区域で「線引き」を行うかどうかは、各都道府県に委ねられているため、線引きを行っていない区域もみられます。

「市街化区域」と「市街化調整区域」とは?

まず市街化区域とは、市街化された区域、もしくは10年以内に市街化される区域のことで、整備や開発が優先されます。

市街化調整区域は、反対に市街化を抑制する区域です。つまり、市街化調整区域とは、市街化されない区域で、原則として住宅を建てることはできないこととされています。

東京23区では主要河川の河川敷を除いて全域が市街化区域に指定されています。しかし、全体からみれば東京23区は特殊な例であり、たとえば横浜市では市全域の約4分の1が市街化調整区域となっています。

日本全国では、「線引き」された都市計画区域のうち「市街化区域」が約27.6%、「市街化調整区域」が約72.4%です。

市街化調整区域には例外もある

市街化調整区域はでは、原則住宅を建てる事はできないことになっているのですが、住宅や賃貸物件が建てられ販売もされています。

なぜなら、都市計画法が制定される以前から住宅が建っていた宅地などでは、一定の要件を満たしていれば、通常の建築確認手続きによる新築や増改築を認められていたからです。

これが「既存宅地」の制度なのですが、2001年の都市計画法の改正により、この制度が廃止されて、原則として建て替えができないことになりました。

とはいえ、市街化調整区域にはたくさんの家が建ち、人も多く住んでいますので、「既存宅地」の制度に代わる救済措置として、各自治体が独自の基準を設けるところが多くなっているのが現状です。

実際、各都道府県の基準を満たす宅地であれば、都市計画法による許可を受けることができ、建築確認も下ります。この条件がクリアできるのであれば、ライバルが少ない中で格安で収益物件を購入することができるのです。

市街化調整区域は融資がでにくい

ただし、市街化調整区域の物件で融資が引き出せるかは懸念としてあります。

市街化調整区域の物件の担保価値が問題となり、融資はできない銀行もあります。建物の評価が無くなった時は土地価となりますが、市街化調整区域の土地というのは流通性が無いので評価が困難です。

また融資額を減額しない代わりに通常の倍の保証料が求められる銀行もあります。

土地評価がでにくく、また流動性がない点は注意が必要ですが、格安で収益物件を手に入れたい方、長期保有を狙っている方にとっては、ライバルが少ないおいしい物件となる可能性は大いにあります。

 

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