不動産について十分な知識もなく、不動産仲介業者の言われるがままにスルガ銀行アパートローンを使い不動産投資の世界に身を投じてしまったサラリーマン大家の皆さん。
ほとんどの方が、毎月の家賃が金融機関への融資返済に消えてしまい、なかには自らの資金を毎月充当している方もいるのではないでしょうか。
しかも、その返済額の大半が金利。
元金はほとんど減っていかず、物件の評価額よりも融資の残高(残債)が上回る、いわゆる「信用棄損」の状態が続きます。
誰もが一刻も早いスルガ銀行アパートローン(スルガ地獄)からの脱出を試みたいと感じていると思います。
筆者も同じ気持ちでした。
【参照記事:不動産投資失敗談 静かに忍び寄りしスルガ地獄】
今回は、スルガ銀行アパートローンからの脱出を行うための準備編として、そまずは、スルガ銀行から融資を受けているあなた自身がどのような状態にあるのかをきちんと見極めておく必要があります。
この観点は4つございますので、ご紹介いたします。
物件の担保評価額<融資残高(残債)
スルガ銀行アパートローンで物件を購入すると、ほとんどの場合、物件の査定が他の金融機関より甘く融資額が伸びます。
さらに、諸経費まで融資を加算している場合が多いため、物件そのものの価値よりも融資残高が上回ってしまいます。
この状態を、一般に「毀損」(赤字)状態にあると言います。
スルガ銀行融資は元金がなかなか減らず、残債が多い状態が続くので、この毀損状態が長く続きます。
この状態では、他の金融機関が追加融資をしてくれません。
法定耐用年数<融資期間
物件(建物)はその種別によって、法定耐用年数が決まっています。
例えば、RC(鉄筋コンクリート)造物件は47年、重量鉄骨造物件は34年などです。
RCで築30年であれば残された耐用年数(残存耐用年数)は、47-30で17年となります。
スルガ銀行以外の金融機関は、一般的にこの残存耐用年数を上限として融資をします。
スルガ銀行には、この残存年数にとらわれず、築古物件であっても30年の融資を実行します。
この残存年数を超えて融資を受けていると、他の金融機関は「信用棄損」とみなし、融資をしてくれません。
毎月の返済を知る
ここでは一般的な元利均等融資に基づき説明します。
融資による毎月の返済額は、金利と融資期間によって決まります。
高金利で長期間の融資と、低金利短期間の融資は、返済額があまり変わらない現象が起きます。
このトークでスルガ銀行の融資へ誘導する仲介営業マンが非常に多いです。
しかし、スルガ銀行融資の場合、その内訳のほとんどが金利の支払いで、元金の減るスピードが非常に遅いです。
このため、他行への借り換え、第三者への売却の際に、残債以下の価格でしか商談がまとまらないという結果を招きます。
対外的な印象は…
スルガ銀行は物件の評価が甘いため、市中銀行の融資担当は、ノンバンクのローンと同等の視点で見ています。
したがって、スルガ銀行から融資を受けている場合、スルガ銀行でなければ融資を受けられない物件、融資を受けられない人物と見られる場合が多いです。
このように、スルガ銀行で融資を受けていること自体が、他の金融機関からすれば好ましくない印象となってしまっていることを忘れてはなりません。
まとめ
- 今回は“スルガ銀行アパートローンが持つ側面“を解説させて頂きました。
- スルガ銀行は悪いことばかりではないですが、良い面が少ないというのも事実です。
- スルガ銀行 = “属性棄損“ という方程式は一般的ですのでこの点は意識ください。