【新米宅建士へのアドバイス】都市計画道路とは?その影響と注意すべきポイント

役所における都市計画調査で忘れてはいけないのは、都市施設の計画があるかどうかです。

都市施設があるとその範囲には建築できる建物の高さや構造がかなり制限されてきます。

都市施設には公園等もありますが、ほとんどの場合で問題になるのは都市計画道路です。

都市計画道路とは?

都市計画道路は、既存の道路を拡幅したり、新しく道路を造ったりするために指定されたもので、都市部・地方部問わずあちこちに存在しています。

イメージは以下の通りです。

都市計画道路に指定された部分は、将来的に公共に買収されて道路用地になることが計画されています。

しかし、これらの都市計画道路の計画は戦後から計画決定が進められたものが多いのですが、現在に至るまで数十年間実現していないものがかなり多くなっています。

計画決定のみで長期間事業が進んでいない原因は様々ありますが、バブル期の土地の高騰によって用地買収ができなかったことや、権利者の合意が得られないことがほとんどです。

 

しかし、都市計画道路は計画地に指定されるだけでその部分(上の図の土地の内赤の部分)の土地利用については厳しい制限がかけられますから、早く事業を実現するか計画自体を廃止するかはっきりしてほしいというのが権利者の本音でしょう。

都市計画道路があるとどのような影響があるか

都市計画道路は都市施設(公園、緑地、交通施設、交通施設等)に含まれます。

そして、都市計画法によって都市施設の区域内に建築物を建築する場合はあらかじめ都道府県知事の許可を受けなければならないとされています。

都市計画道路の場合、許可を受けるためには次の3つの条件の全てを満たしていなければなりません。

(非常災害時のため必要な応急措置として実施するものや、階数が2以下で地下階がない木造建築物の改築・移転については許可不要です)

  • 2階建以下であること
  • 地下階がないこと
  • 主要構造部(壁、柱、梁、床、屋根、階段)が木造・鉄骨造・コンクリートブロック造・その他これらに類する構造であること

このため都市計画道路の計画決定を受けている部分は、自分の土地であっても2階建までしか建物を建築できないということになります。

上記は計画決定(実際の拡幅事業に着手する時期が具体的に決まっていないもの)の段階の話です。

実際に事業の着手がいつからになるか決まった事業決定の段階になると、上記の条件をすべて満たす建物であっても建築許可は下りません。

尚、やや高度な話かもしれませんが、都市計画道路の計画決定を受けている敷地の部分は2階建を超える建物は建築できませんが、その土地の容積率算定の場合の敷地面積には算出できます。

そのため、都市計画道路計画の範囲内ではない部分に容積率いっぱいの高い建物を建築しており、その後事業決定で都市計画道路指定の部分が用地買収された場合、建て替えるときに今と同じ規模の建物は建てられないといったことも起こる可能性があります。

都市計画道路調査のポイント

都市計画道路計画地を含む土地の調査をする際は、以下のような事項を中心に聞きます。

都市計画道路の名称

取引後にその都市計画道路の計画がどうなるか追いやすくなるためです。

都市計画道路の計画決定年月日

計画決定からどれくらいの期間が経過しているか確認しておきます。

計画決定段階か、事業化されているのか

事業化されていればその部分に建物を建築することができなくなりますし、補償金が受け取れるとは言っても将来土地の面積が目減りすることは確実ですから重要な事項です。

事業化されていなければ、事業化の見込はあるのか

事業化の見込やその時期について確認しておくことで、取引後の対策が取りやすくなります。

都市計画道路計画図の確認

都市計画道路にかかる土地や、その周辺の土地の調査の場合は必ず都市計画道路計画図を確認しましょう。

多くの場合で現況道路の道路台帳にかぶせる形で都市計画道路の計画線(ここまでが都市計画道路の拡幅ラインですと示したもの)が記載されています。

ただし、都市計画道路計画図はあくまで「計画」段階のものです。

実際に測量をしてこのラインまでと確定したものではありませんから、その点には注意が必要です。

都市計画道路にかからない土地でも…

調査対象地が都市計画道路の範囲に入っていない土地であっても、周辺に計画がある場合は確認しておくべきです。

対象地の近くに都市計画道路があって、更に事業化されていれば、近い将来拡幅や新設によって交通量や周辺の環境ががらりと変わる可能性があるためです。

 

取引の対象となる土地が都市計画道路の範囲ではなく、周辺に計画がある場合は必ずしも重要事項説明書に記載する必要はありません。重要事項説明書は「生活環境等に大きな影響を与える可能性がある事項」については説明すべきとされていますが、将来の都市計画道路の拡幅や新設によって対象地がどのような影響を受けるか、その提供の程度はどのくらいかは、現在の時点ではわからないからです。

そのため、これについてどの程度説明するかは宅地建物取引士や不動産業者の裁量ですが、少なくとも対象地周辺の都市計画道路の拡幅・新設によって大きな影響があることが予測できる場合は、ある程度の説明をしておくことがより顧客の信頼を得られると考えられます。

纏め

  • 都市計画道路は道路の新設・拡幅の計画を定めた都市施設
  • 都市計画道路の部分には計画決定段階であっても2階建までしか許可は下りず、事業化されれば原則その部分に建物は建てられない
  • 用地が買収された結果、都市計画道路以外の部分の土地についても建て替え時に同じ規模の建物が建てられなくなるケースもある
  • 調査対象地が直接都市計画道路の計画区域に含まれていなくても影響のある場合もある

 

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