【新米宅建士へのアドバイス】地積測量図とは?地積測量図の性質について

法務局に備え付けられる土地の形状や面積を表す図面には、公図の他に地積測量図があります。
地積測量図は公図と比べると信頼性は高いですが、その性質や取り扱い上の留意事項をお話しします。

地積測量図とは何か

地積測量図は、分筆登記等を行う際に法務局への提出が求められる図面です。
地積測量図では、土地の形状の他に境界杭等の境界を表す標識の位置や地積、その他にどのようにして地積を求めたか(求積方法と言います)も明記することが求められています。
その他、その地積測量図を作成した会社や土地家屋調査士の名称、作成年月日も明記されています。

別記事で紹介しましたが、公図の中にも精度の高いものと低いものが混在しているので、有資格者が測量して土地の面積や形状、間口や奥行きの長さをはっきり示している地積測量図は公図よりも信頼性が高い資料と言えます。

地積測量図の信頼性

前項でもお話ししましたが、地積測量図は分筆登記の際に作成されます。
分筆を行って新たにできた筆の土地の面積については測量を行っているため精度が高いと言えますが、注意しなければならない点があります。
それは、分筆を行った残地の面積については元々の土地の登記簿上の面積から分筆した土地の面積(測量済)を差し引いて残地の面積とすることが認められていることです。

ちょっと分かりにくい言い回しになってしまったので、下のイメージ図をご覧ください。

 

上の図は、元々登記簿上の土地面積が500.00㎡あった土地をA、Bに分筆(Bが新しい地番)したものです。
このうち、Bの面積は境界を確認の上しっかりと測量しているので問題ないのですが、A地の面積は元々の土地の登記面積500.00㎡から測量によって求めた分筆地Bの地積200.00㎡を差し引いて300.00㎡として登記することも認められているということです。

何が問題になるかというと、「登記簿上に記載されている面積が間違っている可能性がある」ということです。
別記事でお話しした通り、公図は明治時代に素人が縄によって測量した土地の形状等を基に作成されており、しかも所有地の価格を基に税金額が定められていたため、過少申告や過大申告も相次いでいました。

土地の登記簿上の面積というものは、こうして作成された旧土地台帳を基にしているものもまだまだ残っているため、有資格者による精度の高い測量を経て確定されたものでない限り、信頼性には疑問が残るものなのです。

つまり、上のイメージ図で言えば元々の土地の登記面積500.00㎡が誤っていることもあるということです。
B地については測量を経ているため面積の精度は高いですが、元々の土地の面積が誤っていたとしたら、
誤っている面積-正しい面積=残地の面積は誤っている
ということになります。

地積測量図があっても、「分筆の対象となっている部分の面積は正しいが、残地の面積については誤っていることがある」ということは覚えておかなければなりません。
例えば分筆の結果、残地が以下のような旗竿地になったとしましょう。

上の図で地積測量図において測量しているのは分筆地Aのみだったとします。

この時、残地Bは路地状部分(図上赤の部分)でしか道路に接していません。
地積測量図上でスケールを当てたところ、路地状部分の幅は2.0mピッタリで、ギリギリ接道条件(原則として4.0m以上の道路に2m以上接していないと建物を建築することができません)を満たしていたとします。

しかし、B地は残地であるため精度の高い測量を経た図にはなっていません。

ここで、地積測量図上で2.0mあるからと安心してしまい、現地での路地状部分が実際に2.0mあり接道条件を満たしているのかという確認を怠って、B地を「接道条件を満たしている、建物が建築できる土地」として取引してしまったとします。

後になって実はこの路地状部分は1.9mしかなく、接道義務を満たしていないために建物を建てられない土地であったということになれば、買主は当然売買契約の解除を請求してくるでしょう。
場合によっては仲介業者の責任問題に発展するかもしれません。

そのため、地積測量図については以下のことを十分理解しておく必要があります。
①測量されているのは分筆された土地だけで、残地の測量はなされていない。
②残地の面積は「元々の土地の登記面積(正確でないこともある)-分筆地の面積」で表すことも登記実務上認められている。
③残地の図についても測量されておらず、正確でないことがある。

地積測量図と実測図の違い

法務局に備え付けられている地積測量図の他に、売買にあたっては売主が実測図を提供してくれたり、売買にあたって土地家屋調査士等に依頼して実測図を作成したりすることがあります。

実測図とは、隣接地の所有者同士が立ち会って、それぞれの境界点を確認した上で、測量士や土地家屋調査士等、測量の有資格者が作成する図面です。

地積測量図と実測図の違いは、地積測量図が分筆時に作成され法務局に備え付けられるのに対して、実測図は必ずしも分筆登記のためだけでなく、隣地との境界確認の際や売買にあたっての面積確定、建物建築の際の面積確定(建蔽率や容積率の算出のため等)等、様々な時に作られる場合があることです。

そして、実測図は必ずしも法務局に提出して備え付ける必要はありません。そのため、法務局やインターネット上での登記取得サービスを使えば誰でも見られる地積測量図と違って、実測図は権利者の同意を得ないと見られないものです。

いずれの図面も、正しく性質を理解して使えば土地面積や形状について非常に役立つ資料ですから、以上の点をしっかり理解しておきましょう。

纏め

  • 地積測量図は主に「分筆時」に作成される
  • 地積測量図で実際に測量しているのは「分筆されてできる土地」のみのことが多い
  • 残地については「元々の土地の登記面積-分筆されてできる土地の面積」での面積となっているものが多く、必ずしも形状や面積が正しく表示されているとは限らない
  • 地積測量図があっても現地との照合は省略してはいけない
  • 地積測量図と類似のものに実測図もある

 

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