不動産投資を行う際のポイントですが、今回は立地、日照、そして間取りについて説明していきたいと思います。
立地は変えれないからこそ重要
不動産投資の価値を決める要素としては、一にも二にも重要なのが立地です。言わずもがな、立地は購入後もずっとついてまわる、変えることのできない要素であり、それゆえに注意が必要です。
新築物件では、築10年くらいまでは新築物件の魅力があります。
一方、中古物件では当然ながら、このような建物が新築である魅力はありません。そのため、賃貸需要の少ないエリア、駅までの距離が遠い投資物件だと、後々空室問題で苦労することになります。
したがって、入居者にできるだけ長く住んでもらうため、退去後にできるだけ早く次の入居者が決めるためには需要を踏まえた立地の選定が必要です。
ターゲットを考えた立地選び
不動産投資の経験が浅い方がアプローチするのに最適な単身者用・学生向けの物件ならば、通勤や通学の利便性が第一で、加えて周辺の生活利便性の充実が大きく影響します。
逆に、ファミリー向け物件は、住居としての戸内の充実もさることながら、周辺の環境(学校、公園など)を重視して選ぶ事が多いです。
その地域での需要を確実にとらえるために、現地に行き、周辺店舗や住民の方からヒアリング、仲介営業マンや地域に精通している知人のアドバイスを受けながら物件を決める事が必要です。
ファミリー物件は日照が鍵
次に、日照や眺望です。
こちらは、特にファミリー向けの物件に言えることですが、一生住む物件としてのマンションで、築年数や建物全体のグレード、管理体制も重要ですが、その次に大切なことが、日照、眺望と言われています。
マンション特有の、陽当たり、日照、眺望は、比較的求めにくい条件で、逆に言えばマンションであるがゆえに求められるメリットということになります。
新築にしても、中古にしても、東南の角部屋、あるいは南西の角部屋を選ぶようにしたほうが、不動産の運用上、大きなメリットがあることを覚えておいてください。
また、同じマンションでも、眺望の点において一階や二階の資産価値はよくなく、賃貸に回すにしても転売するにしても、有利な条件にはならないのです。
これらは空室の場合、実際の部屋にて確認出来ますが、賃貸中の場合はそうはいきません。
外部から確認する等して、検討する住戸にどのような個別要因があるか、入念にチェックする事が必要です。
間取りはターゲット毎のニーズを捉える
最適な間取りは、実は立地によって変わってきます。
周辺物件を調査し、市場データを検証して間取りを決めましょう。
そしてその土地で、一番ニーズのある世代・世帯に人気のある間取りに絞ることが重要です。
単身世帯向けの間取りでは、一昔前はワンルームタイプが主流でしたが、今ではマンション経営においてワンルームは人気が下がっています。
広めでセキュリティとその他の設備が充実したタイプが人気です。 またバスタイムは充実して過ごしたいという希望も多いです。
ファミリー向けの間取りでは、同じ面積でも3DKより2LDKが好まれる傾向にあります。
これは、少子化の影響とライフスタイルの変化から、居室を細かく仕切るよりも、広いLDKを中心とした間取りが人気となっています。
不動産経営では、間取りが時代のニーズに対応したものでなければなりません。
近年、世帯構成が大きく変わってきています。単身世帯や夫婦二人世帯の増加が目立ちますが、結婚しない男女、高齢夫婦二人暮らしが増え、年代も若者だけではなくなってきています。購入の段階で、今の賃貸ニーズと比較して間取りは適切かという視点でのチェックも必要となります。ただし、価格が安く、賃料設定を低くしても利回りが確保できるのであれば、あまり心配しなくてもよくなります。
価格とのバランスをみながら検討する事が重要と言えるでしょう。
物件を選ぶにあたって、個々の物件は当然の事ですが「街並み」は重要な要素です。せっかくある地域を気に入って購入しても、後で様変わりしまう事もあります。不動産の購入を検討する場合、ほとんどの方が実際に物件を現場でみる事になると思います。その際、個別の物件だけでなく必ず「周辺地域の建物」を確認する事をお勧めします。
街づくりの定めは、都市計画法という法律の中に定められています。その中で建物の種類に直接影響するのが「用途地域」です。これは、土地の計画的な利用を図ることを目的として、住宅地に望ましい環境づくりや、商業や工業にそれぞれ適した地域づくりなど、その地域にふさわしい発展を促すため、都市計画法によって定められています。
地域区分には大きく分けて「住居系」「商業系」「工業系」の3つがあり、その中でさらに細かく分けられ、全部で12種類あります。用途地域は、役所へ問い合わせたり、インターネットでも簡単に調べたりする事ができます。参考記事物件情報でよく見る「用途地域」って気にしたほうがいい?
不動産投資をするにあたっては、居住用のマンションの立地としては環境の観点から「住居系」にすることに越した事はありませんが、利便重視の視点からは商業系の地域に選択の幅を広げることもセオリーです。また現地が用途地域にあった街並みであれば、大きな変化がない事が想像できますが、違いがあった場合は要注意です。その場合は、将来の可能性を調べる必要があります。
用途地域以外にも、街並みにかかわる情報として押さえておくことが望ましいものがいくつかあります。
- 地域開発の計画を定める行政の総合計画
- 都市計画法上、建築基準法上の制限
- 建築や開発に関わる行政の指導要綱
- 近隣の地域を対象にした再開発計画
- 個別の施設や店舗の誘致情報
- 隣接地での建築、売却情報
これらの情報を、不動産仲介会社、役所、またはインターネットを使いながら調べていましょう。
建ぺい率や容積率とは、物件を検討するうえで必要となるだけでなく、これから建築する際にも基本となる不動産用語です。
この建ぺい率・容積率をみるだけで、その土地にどのような住宅が建設されるかがわかる大切な指標ですので、しっかりと覚えておきましょう。
建ぺい率とは
まず、建ぺい率とは、建築面積の敷地面積に対する割合のことです。
たとえば、建ぺい率が50%と指定された地域にある100㎡の敷地には、建物の投影面積(概ね建物1階の床面積を指します)として50㎡まで建築できることになります。
駅周辺の「商業地域」では、「建ぺい率100%」という場所があります。
また、商業地域では「隣の家にかかる日陰」に関する規制がないなどの理由により、建物と建物がぴったりくっつくように建設しても違法ではない事もあります。
建ぺい率が大きければ大きいほど、建物用に活用できる面積が広くなるため、不動産投資では「土地の利用価値が高い」とされます。
参考記事:同じ広さの土地で建てられる住宅に違いがある!?建ぺい率と容積率を知る
容積率とは
次に、容積率とは、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合のことです。
たとえば、容積率が100%と指定された地域にある100㎡の敷地には、建物の延べ面積(建物全体の延床面積を指します)として100㎡まで建築できることになります。
敷地にどれだけの延べ床面積の建物が建てられるかを示すものです。建ぺい率と容積率の制限を超える大きさのものは建てることができません。
高い容積率を持つ地域では、現状は低層の建物が多くても、有効活用によって、高いボリュームの建物が建ち並ぶ可能性をもっています。
一方で、100%程度までの低容積率の地域であれば、閑静な住環境を保ちやすい事になります。
建ぺい率や容積率は都市計画区域内の決められた用途地域で都市計画法によって定められています。
しかし、リゾートエリアの場合、市や町が独自に条例で定めている場合や、別荘地ごとに管理規約で自主規制を定めている場合もあります。