不動産投資で金融機関と交渉すべき条件とは?

前回までの投稿で、借換え時のターゲット金融機関を整理しましたが、今回は金融機関との借換え交渉の際に交渉可能な事項、もしくは提示すると交渉が纏まりやすくなる事項を説明致します。

下記の記事も参考にしてください。

金融機関は”紹介”と”飛び込み”のどちらが有効?

交渉論点の整理

基本的に物件購入の際の交渉事項と同一のものが多いですが、金額、返済猶予、預金預け入れの3点では少し考え方が違いますので、整理いたします。

尚、”金利交渉”は当たり前で、ここでは割愛致します!

  1. 借換えの可否:借換えが可能かどうか
  2. 金額 – 借換え諸経費を上乗せできるかどうか
  3. 期間 – 期間を延ばせるかどうか、ただ難易度高
  4. 返済猶予期間 – 交渉も容易でCFへのインパクト大
  5. 預金預け入れ – 拘束預金/通知預金/定期預金/普通預金を理解しよう

大きくは上記5点が重要であり、其々を組み合わせて交渉に臨むことが非常に重要です。

細かく解説していきます。

借換えの可否

まずは交渉のスタート台に立てるかどうかがここで決まります。

ここは

  1. 物件評価
  2. 個人の属性
  3. 保有の金融資産

の3点でほぼ決まります。借換えで重要なのは特に(i)物件評価、この評価が銀行によって変わってきます。築古でも融資を出す地銀/信金、RCに積極的な地銀/信金、と言った感じで金融機関毎の特徴がでます。

金額 – 借換え諸経費を上乗せできるかどうか

ここで重要な点は2点です。

融資残高が協議のスタートラインであり、売買契約の開示は断固拒否

まず共有したい点は、融資金額のスタートは、“融資残高”となります。

物件取得価格ではない点を理解しましょう。

換言すると「物件取得価格を開示する必要なない」という事です。この点は非常に重要で、金融機関によっては、“売買契約の開示”を要求してきますが、明確に“拒否”しましょう。

 

なぜか?

 

売買契約を開示すると、売買契約内容に関しても、我々投資家側が表明/保証する形になります。オーバーローン等を活用している場合、ここで齟齬が出てくる可能性もあります。

また売買契約を開示して、購入金額が金融機関に知られると、融資金額の“天井“を自分で

決めることになります(銀行はフルローン以上は基本行わないです)。

必須ではない情報を開示して、交渉相手に有利に働く可能性は、全て排除する、細部にこだわるのがプロフェッショナル投資家です

諸経費も交渉して勝ち取れ

借換えを行う場合、コストとしては

  • 銀行の手数料
  • 融資解約違約金
  • 抵当権設定費用

が発生します。借換えの場合、「これらのコストを上乗せして融資してほしい」、と伝えることができます。

筆者の場合も、“融資解約違約金含め”、融資してもらいました。

金額が大きく変わってくるので重要な点です。ダメ元で一度交渉してみることをお勧めします。

期間 – 期間を延ばせるかどうか(難易度高)

期間も非常に重要な交渉論点です。

ただ筆者の経験では、本件の交渉は非常に困難というものです。

背景として、当初関係を持った融資銀行(オリックス/静岡銀行/スルガ銀行/SBJ銀行等)の、特徴は融資期間が異常に長いというものです。

この異常に長い融資期間を、地銀/信金で更に長くするのは、なかなか審査がYesとは言ってくれませんでした。

従い、筆者は一度も獲得できませんでしたので、難しい、という感触を持っています。

当然ながら、税務耐用年数で融資を借りられている方が、その融資期間を延ばす、のは可能と存じますので、是非チャレンジ下さい。

返済猶予期間 – 交渉も容易でCFへのインパクト大

筆者がいろいろな方々と話をして感じることですが、あまり知られていないのがこの返済猶予の設定です。

まず返済猶予というのは何かを説明します。

これは借換え特有ではなく、新規のローンでも交渉可能です。

返済猶予とは?

  • 合意した期間を延ばさず、最初の3-12ヵ月の元本返済を猶予してもらうもの。
  • この返済猶予期間は飽くまで元本が対象で、金利は支払う必要あり。
  • 返済期間が延びるわけではないので、残りの期間の月額返済額が微増する。

投資家ならすぐわかりますが、6ヵ月の返済猶予を勝ち取れば、元本分の返済額が手元に残る形になりますので、手元現金がかなり積みあがる形となります。

また銀行視点では、金利収入が増える形、になりますので、大体の金融機関が受諾してくれる交渉論点です。

ここは絶対に交渉しましょう

預金預け入れ – 拘束預金/定期預金/通知預金/普通預金を理解しよう

地銀/信金の場合、特に信金では預入額を重視しており、確実にお願いされる事項です。

また物件の担保評価が低い場合、この預入を必須条件、として付帯してくることもあります。

銀行からの提案は大体下記の4種類となります。

拘束預金:決められた期間引き出すことができない。期前返済と同じ性質

唯一の違いは、他の金融機関には手元資金として開示できる点

 

定期預金:一定期間引き出すことができない預金。
※ 解約手数料を払い定期解約すること理論的には可能ですが、金融機関との信頼関係は確実に崩壊します。また営業マンは何があっても止めにきます。
(筆者の場合、1年の定期預金を新規借入の際に行い、3ヵ月後に違約金払うので解約したい、と言ったら、「約束が違う。それは困る」と駄々をこねられ、結局1年間待ち、普通定期に預金替えしました)

 

通知預金:引き出す一定期間前に銀行に通知する必要がある預金形態

(筆者の場合、何度か持ち出してみましたが、あまり金融機関は興味を示しませんでした。)

 

普通預金: 普通の預金

 

筆者の場合、築古木造の借換え事例では、普通預金ではなく拘束預金2,000万円がA地銀の借換え条件でした。

拘束預金は実質的な期前返済なので、受諾したくなく必死にA地銀との妥結を引き延ばし、B地銀との拘束預金ではなく、普通預金での預け入れで交渉が纏まりました。

(※この駆け引きは、かなりのトラブルを引き起こしましたので、また別途ご共有致します。金融機関の競合もやりすぎると大変な事態となります、笑。⇒現在A地銀は出禁となっています)

 

長くなりましたが、最後に纏めてみます。

まとめ

  • ・上記の事項を念頭に置き、自分の立場を冷静に分析、その後交渉の戦略を組み立てることが借換えには必要。
  • ・融資元本の返済猶予交渉は必ず行うべき。
  • ・現金保有している方は、預入を提案すると交渉は纏まりやすくなる。

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