【不動産投資/大家向け】物件が災害によって被害を受けた場合の対処方法は?

※2019年9月更新

今回のトラブル対処シリーズでは、災害被害の対処方法です。筆者が実際に過去に受けた不動産投資物件で被害を受けた体験と合計出費について共有させていただきます。

新築、中古物件問わず、購入前にはハザードマップ等で水害の可能性を見て、物件選定を行うものと思います。

ただいくらハザードマップによって危険地域外とされていても、起きるときは起きるのが水害です。私の物件で水害が起きたのもハザードマップでは比較的安全地域とされている場所に保有していた物件でした。

今回はその対処法と、修繕費用をどのように捻出するかについて私の経験談をお話ししたいと思います。結論から言うと一番大事なのは初動を早くし、現場に早く乗り込むということでした。

 

管理会社から一本の電話が

 

2014年夏、管理会社からの電話を受けました。

「北関東を中心にゲリラ豪雨が発生し、私が物件を保有している地域でも大規模な水害が発生しているとのこと。避難地域に指定されているので近づけないが、何らかの水害を受けた可能性が高い。入居者は避難勧告に従って全員退去したらしい。」

翌日、水が引いた後のちに物件視察していた管理人から、被害状況の報告がありました。

  • 1階部分の各部屋において約20センチほど床上浸水した。
  • 1階入居者(総勢4名)は、住めないため、近くのホテルに避難している。
  • その他被害として、共同玄関が破損している。

私は、入居者に見舞金として一人3万円を配ることを管理会社に指示し、大変なことになったと思い,被災現場に飛ぶことにしました。(百年に一度の大豪雨といわれた災害のため、大家に非はないのだから配る必要は無いと管理会社に反対されたのですが、部屋を失った心痛を思い見舞金を配ることにしました。後々感謝されました。)

その後、現地の業者と面談をし、修繕の手配をしました。

 

泥水の徹底除去

床上浸水すると、水が引くまでの間、泥水に長時間浸かったために部屋中がドブ臭くなります。

また下水や屎尿が混ざった水が流れ込み、放っておくと感染症の恐れも。入居者のために、部屋の中にとどまらず、臭いの原因にもなる床下に貯まった泥を取り除いてから、しっかり消毒する必要があったのです。

そこでまずは、床上浸水の報告を受けた時にこれだけはやらねばと思い、業者に見積もりを取ると30万程度。「思ったよりも安く済むかな」と思ったのですが、それはあくまで現場を見る前の机上の空論でした。

現場を見て修繕業者と話すと、続々と修繕すべき事項の連絡が来ました。それは躯体および付属設備の修繕でした。

 

躯体および付属設備の修繕

床上20cm程度の浸水だと、乾いてしまえば大きな修繕は必要ないと思っていたのですが、実は見えない内壁の中に落とし穴があります。

内壁の中には、断熱材(グラスウール)が敷き詰められていますが、これが水を吸い込むと、数日経っても殆ど乾きません。

長期間、濡れたままの断熱材を放置しておくと、内壁の中からカビが生えてしまい部屋がカビ臭くなるばかりか、数年後には内壁の木材が腐食してしまい、取り返しの付かない事になります。

床上浸水した時には、具体的に躯体に対しどのような修繕が必要になるのでしょうか?

以下は、この浸水被害にあった際、大手ハウスメーカーや地元の施工会社など、数社から頂いた修繕見積りを基に修繕項目をまとめたものです。

 

床上浸水した時の修繕項目

  • 床の全面張り替え。
  • .全ての内壁を床から1mのあたりまでカットして張り替え。
  • .内壁の中にある断熱材を、浸水した高さの1.5倍程度を目安に取り替え
  • .内壁の張り替えの際、コンセント等の電気工事
  • エアコンを脱着して、クロスの全面張り替え
  • .部屋のドアや収納の扉など、浸水で膨張した建具を全て取り換え
  • .修繕による廃材の処分
  • .床下、屋内の泥を取り除き消毒。
  • 防蟻処理のやり直し
  • .損傷したキッチン、洗面台、トイレ、ユニットバス、エアコンの交換
  • .敷地内、駐車場、側溝を洗浄する。

見積もりでは、どんなに安い業者でも約900万円とのこと。

当初床下の泥の清掃だけで30万で済むと楽観的に考えていた私は、どれだけ現場を甘くみていたのかを思い知らされました。

なんとか作業項目を減らして修繕費を安く済ませたいと思いましたが、詳しく調べれば調べるほど、数年後の事を見据えると全ての修繕を行った方が結果的に安く済むという結論に。 

さて困ったのは資金です。900万円払えないことはないのですが、自己資金をかなり消費します。できるだけ自己資金を使用しないようにと調達に走ります。

投資物件が災害被害を受けた場合、銀行融資はおりる?

当該物件の購入には懇意にしているO銀行を利用していたため、同行からの融資を考えましたが、災害の起きた月の前月にほかの物件購入で利用したばっかりであったため断られます。

銀行を開拓する良い機会だと開き直ることにして、都銀、地銀、信用金庫13行を1週間で一気に回り融資の依頼をしました。

火災保険には入っていたものの、水害は対象外でしたので、修繕費用を自分で調達する必要があります。最終的には地元信用金庫で、修繕費用の融資を受けられることとなりました。

その他にも、銀行によっては、建物を購入または建築した時の融資支払を最長半年間、据え置きしてもらえる等、災害時の特別措置もあるようですこの辺りは、金融機関によって対応が異なりますので、一日も早い復興のために何を依頼したいのか災害前に事前シミュレーションしておくといいでしょう。

 

投資物件が災害被害を受けた場合、地方自治体からの復興支援も!

都道府県や市区町村からの復興支援もよく見ておく必要があります

支援金の支給や修繕費用の特別融資、固定資産税をはじめとした各種税金の減税・免税など、支援内容の詳細については、被災した市・区役所の公式Webサイトで公表されています。被害にあう前に見逃しがちな情報ですが、当方の北関東物件のようにハザードマップの外でも水害被害は起きることがあるのでよく見ておいた方がいいと思います。

私の場合は都道府県が主導で行っていた中小企業復興支援事業に該当したため、結果として支援金合計額:110万円を工事後に受け取れる事を確認していました。

以下に、簡単にですが復興支援の内容を記載しておきます。

 

中小企業等設備再建支援事業費補助金(上限100万円)

被災した中小企業者を対象にした補助金の支給制度で、個人事業主も支給対象者に含まれます。アパ・マン経営の場合は、被災した家屋を修繕する場合、修繕費の15%以内で100万円を上限に、補助金が支給されます。補助金の請求には、「り災証明」が必要になりますので、被災から2ヶ月以内を目途に必ず取得しておきましょう。

中小企業等復旧応援事業補助金(上限10万円)

被災した中小企業者を対象にした補助金の支給制度で、災害による復旧・復興に係る経費の2分の1以内で、10万円を上限に補助金が支給されます。

 

最後に

最終的に私の場合はどうにか資金調達ができましたが、やはり緊急事態への備えの重要性は実感した事例でした。

 

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