【不動産投資】サラリーマンのローン借入可能額は?キーを握る属性評価。

※2019年7月更新

不動産投資においては、融資を併用して物件を購入するのが一般的です。

融資を併用することでレバレッジを効かせることができ、少ない自己資金でも大きな利回りを得ることができますし、ローン返済は家賃収入から返済していくことが可能になります。

そもそも不動産は高額なので、自己資金でポンと買える人は本当に限られていますからね。

さて、一番気になるのは自分がどのくらいまで借りることができるのかということですよね。
金融機関のスタンスによっても変わりますし、明確な答えはありませんがある程度調べることはできます。

今回、この記事では実体験に基づいた不動産投資におけるローン借り入れ可能額についてまとめていきます。

 

「属性」によって借入可能額は変わる

金融機関が融資する際に審査するのは、物件と借り手です。これは物件を担保に取ることによって万一ローン返済が滞ったら物件を売却して融資の回収ができるからです。

しかし、日本の銀行はまだ物件よりも借り手の個人属性に対してお金を貸すという考え方が基本です。その物件から上がってくる賃料や売却金額だけを融資返済の範囲とするノンリコースローンに関しては、少なくとも個人投資家相手にはほとんど適用してもらえないのが実情なのです。

※ノンリコースローン:物件を担保にお金を貸して、ローン返済が滞り返済不能になったら、その担保である物件を引き渡せば債務が無くなるという融資形態。

さて、個人の「属性」というのは所有する資産や年収、社会的地位等の総合評価で決まります。当然ながら属性が良ければ良いほど借入可能額は大きくなります。

そう考えると、属性を良くするためには「年収を上げる(身も蓋もありませんが)」、「投資のためではなく消費のための余計な借金をしない」、「担保価値の高い物件を購入する」などといったことがカギとなってくるでしょう。

 

不動産投資における、銀行の属性評価の基本的な考え方

属性評価は、定量的なものと定性的なもの、両面から判定されます。

 

定量的なもの

定量的なものとは、金融機関がその人の資産状況や収入・費用構造のことです。これは会社で言う貸借対照表(資産状況)、損益計算書(収入・費用構造)にあたります。

銀行から融資を受ける際には基本的にここで資産超過であることと、毎月のキャッシュフローがプラスであることが必要になり、この程度によって金融機関が属性を格付けします。

もちろん資産超過やキャッシュフローのプラスは大きければ大きい方が融資上限額が大きくなることは言うまでもありません。この定量面の評価が最も重要視されます。

 

定性的なもの

定性的なものとは、主に収入の安定性のことをさします。

例えば年収が1千万円でも、固定的に毎年の年収が1千万円である人と、毎年収入額は変動するけれど結果的に1千万円の収入があった人と比べると、前者の方が安定性が高いので金融機関には好まれます。

一見高収入で属性もよさそうな自由業(いわゆる士業の人等)の人が、信用力評価では意外と低い結果しか得られないこともあるのはこの部分が関係しています。

 

この両面からの属性評価によって、その人の「融資可能額」が判定され、※1絶対額と※2信用額が設定されます。

※1絶対額:貸出限度額そのものです。3億円までと判定されたら3億円が借入可能限度額となります。

※2信用額:貸出額から担保評価を引いた額になります。理論上、ローン返済が滞っても物件の担保価値部分は金融機関は回収できるはずです。その不足分が信用額ですから、この部分は物件の担保でカバーされていない、純粋な個人の信用への貸付部分と言えます。

 

融資は不動産仲介業者を窓口にするのがベター

以上のようにして属性が決まるということはご理解いただけたかと思います。

それでは不動産投資を始める場合、いきなり金融機関に行った方が良いのでしょうか。

答えはNoです。

金融機関にも様々で、ローン審査が比較的緩いところも厳しいところもあります。また、設定される金利も様々です。それに、買いたい物件を選んでから融資の相談に赴くようでは、引き合いの多い物件を狙う場合などには買付までの速さで他の買主に負けてしまいます。

そのため、物件吟味の段階から不動産仲介業者を通じて金融機関を紹介してもらう方が良いでしょう。仲介業者はその業務の特性上、日常たくさんの金融業者と付き合いがありますし、それまで借り手(物件の購入者=ローンの借り手。当然ながら金融機関からすれば見込顧客です)を金融機関に紹介しており関係性が築けているためスムーズに取引が進みます。

また金融機関に直接行くよりも、仲介業者の紹介で金融機関に行く方が、自分に合った金融機関に出会える可能性が高まるでしょう。

尚、金融機関を仲介業者に紹介してもらう際には、自分が給与の受け取りや各種保険料・クレジットカード等の支払いで普段から使っている銀行はどこなのかといった情報も整理しておきましょう。

普段から使っている銀行の方が、融資に対しては親身に相談に乗ってくれる傾向があるようです。

 

【不動産投資】サラリーマンのローン借入可能額は?キーを握る属性評価まとめ!

  • 借入可能額は個人の「属性」で決まる
  • 金融機関の審査はまだまだ個人の信用力が重視されている
  • 定量面・定性面両面から審査されるので、年収は安定している方が有利
  • 金融機関には仲介業者の紹介を受けて行くのが良い