不動産投資の「利回り」についての考え方

不動産投資には様々な指標があります。主要なものが「利回り」です。
利回りとは、簡単に言うと支出に対する利益の割合です。
不動産物件の良し悪しを見極めるためには、不動産投資の利回りを正しく理解しておく必要があり、不動産投資の利回りを正しく理解していないと、ダメ物件をつかまされてしまうことになります。
反対に、不動産投資の利回りについて正しく理解していれば、確実に利益を生んでくれる不動産物件を見つけ出すことができます。

本記事では不動産投資の「利回り」についての考え方をご紹介します。

不動産投資の利回りは物件の優劣を明らかにする指標

利回りは、投資額に対する利益の割合を表した投資指標で、以下の計算式で求めます。

利回り = 1年間の利益額 ÷ 投資額

例えば、投資額1,000万円に対して、1年間で150万円の利益が見込めるのであれば、この投資案件に対する利回りは15%になります。

どのくらいの期間で支出金額を回収することができるのか、どのくらいで利益を上げていくことができるのかを判別することができます。

不動産投資の2つの利回り、「表面利回り」と「実質利回り」

不動産投資の利回りには、表面利回りと実質利回りの2つがあります。

表面利回り

「表面利回り」とは年間家賃収入の総額を物件価格で割った数字です。

表面利回りは利益の計算にあたって、ランニングコストを考慮しておらず、この利回りを維持できるかもわかりません。

投資物件の広告で表記されているのは、ほとんどがこの表面利回りです。

表面利回りは以下の計算式で求めます。

表面利回り = 年間家賃収入 ÷ 物件価格

例:150万円 ÷ 1,000万円 = 0.15 = 15%

実質利回り

不動産を購入・所有すると、固定資産税、賃貸管理費、建物管理費、修繕積立金等、年間に多額の支出が必要になります。

これを年間家賃収入から差し引いた額を購入費用で割った数値が実質利回りです。
実質利回りは、経費まで考慮したうえで利回りを計算しているので、投資物件の投資効率を正しく理解することが可能です。

実質利回りは、以下の計算式で求めます。

実質利回り = (年間家賃収入 – 年間必要経費) ÷ 物件価格

例:(150万円 – 25万円) ÷ 1,000万円 = 0.125 = 12.5%

 

実際に物件図面から投資物件の実質利回りを計算してみる

ここからは実際に物件図面から投資物件の実質利回りを計算してみましょう。

Step1:実質利回り計算の要素を見つけ出す

不動産投資の実質利回りを計算するためには、まずは計算のもとになる要素を物件図面から見つけ出すことが必要です。
利回りを計算するために、図面から見つけ出す項目は以下の5通りです。※価格は例として出しています。

  1. 物件価格・・・2,000万円
  2. 家賃・・・95,000円/月(賃料85,000円/月+管理費10,000円/月)
  3. 管理費・・・8,000円/月
  4. 修繕積立金・・・1,500円/月
  5. 賃貸管理会社に支払う手数料・・・3,500円/月

Step2:実質利回りを計算する

次に上記の条件の図面から見つけ出した計算要素をもとに、実質利回りを計算すると次のようになります。

実質利回り = (年間家賃収入 – 年間必要経費) ÷ 物件価格= (1,140,000 – 156,000) ÷ 20,000,000= 4.92%

このように、実質利回りを求める事によって、より現実的な投資効率を理解することができます。

利回り計算をする際の注意点

空室物件の利回りに注意する

新築物件や入居者がいない投資物件を検討する場合、不動産会社が提示している利回りは注意が必要です。

空室中の物件ですから、利回りの計算のもとになる年間家賃は実際の家賃ではなく、あくまでも想定の家賃となっています。
この想定家賃が、周辺相場よりも高く表示されていることもあり、実際より高い利回りが表示されていることがあります。

想定利回りはあくまで計算上の利回りです。

空室の投資物件の購入を検討する場合には、想定利回りの計算の元になった家賃が周辺相場と比較して妥当か検証する必要があります。

長期入居物件は利回りに注意する

すでに入居者がいる物件の購入を検討している場合、その入居者が長期入居ではないか注意する必要があります。

なぜなら、長期入居の場合、家賃が周辺家賃相場より高く設定されていることがあるからです。
例えば、新築時から10年間同じ入居者が住み続けているとします。

この場合、建物は築10年にも関わらず、家賃は新築時と同じかさほど変わらない金額で設定されていることがあります。
しかし、家賃相場は築年数とともに下がっていきます。現在の入居者が退去した途端、新築時と変わらない高い家賃から、築10年の低い相場家賃に下がってしまうのです。
その結果、利回りも大幅に下がってしまいます。

こうならないためにも、すでに入居者がいる物件を検討する際は、今の入居者がいつから住んでいるのか、設定されている家賃が築年数に応じた周辺エリアの家賃相場と離れたものでないかを確かめる必要があります。

不動産投資の利回りは購入当初が一番高い

物件の利回りは築年数の経過によって、ゆるやかに下落していきます。一方で、毎月かかってくる管理費や修繕積立金の金額は変わりません。

むしろ、修繕積立金は分譲当初は低く抑えられていることもあり、維持管理コストの上昇が見込まれます。
家賃収入が下落し、維持管理コストが上昇すれば不動産投資の利回りも下がります。
その結果、購入当初の利回りが所有期間中で最も高くなるのです。

このように、購入当社の利回りが永続的に続くわけではないので、その点を考慮して資金計画を立てておきましょう。

空室リスクの高い物件の利回りは割り引いて考える

利回りは1年間を通じて、満室経営であることを前提に計算されています。

そのため、空室が発生すれば、図面上の利回りを実現することができません。
いくら高い利回りでも、賃貸需要の少ないエリアの物件の場合は、利回り通りのパフォーマンスを発揮する可能性が低くなります。
さらに、賃貸需要の少ないエリアの場合は、入居者をつけるために仲介会社にオーナーが広告料を支払ったり、入居後の一定期間中の家賃が無料になるフリーレントをつけなければいけないこともあります。
一方、低い利回りの物件であっても空室リスクが少ない、賃貸需要の高いエリアにある物件は高いパフォーマンス発揮することができます。

高い利回りの物件に飛びつくのではなく、賃貸需要まで冷静に見極めて投資物件を選びましょう。

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