※2019年9月更新
不動産を購入して投資を始める場合、かなりのお金がかかります。
比較的少額から始められる投資と言われるマンションでも通常は最低数百万円単位から、一棟物のアパートやマンション、オフィスビル等になると数千万円から数億円単位の資金を自己資金の他にローンを併用しても調達する必要があります。
そのため、不動産投資はまずある程度の金額の自己資金がないと始められないと思っている方が多いかと思います。
しかし、不動産投資信託(Real Estate Investment Trustの頭文字を取ってREIT、日本では頭にJapanの頭文字をつけてJ-REITと呼ばれます)であれば数万円程度からの比較的少額の資金で始めることができますから、まだ実物不動産の投資を始められるだけの資金力がない方でも始めることができます。
今回、こちらの記事では不動産投資信託(reit)の特徴、具体的なメリットやオススメする理由をお教えします。
と、その前にまずは皆さんが不動産投資と聞いてイメージされているであろう『実物不動産投資』の特徴について説明させてください。
実物不動産投資は手間/コストが膨大にかかる…
ワンルームマンション投資や一棟物の土地建物(以下、「実物不動産」と記載します)への投資の場合、大まかに以下のようなプロセスを踏みます。
- 投資対象となる物件を購入する
- 物件の入居者から賃料を受け取る
- 物件を所有している期間中、修繕や清掃等の管理を行う
- 物件を売却する
まず①ですが、先にも書いた通り実物不動産の投資は、物件を購入するところから始まります。物件購入にあたっては多額の資金が必要になり、自己資金が乏しい方にとってこの時点でかなりハードルの高い投資方法になってしまいます。
また、物件購入の際にも将来的に安定した賃料が受け取れる物件であるか等、投資対象として適切か(「投資適格性」があるか、等という言い方をします)という判断があり、不動産市場に詳しい人でなければ投資対象として不適切な物件を購入してしまうリスクもあります。
②、③についても入居者からの賃料の支払管理等の事務手続きや、物件の清掃・修繕等の維持管理についてもある程度の知識や手間が必要になります。物件管理会社に委託しても良いのですが、その際のコストも高くなってしまう場合があります。
以上のとおり、実物不動産投資は最初に多額の資金が必要になること、物件の維持管理に手間がかかり知識も必要になることから、不動産に関して知識があり、かつある程度潤沢な資金力・信用力がある人向けの投資と言えます。
不動産投資信託(reit)とは?
それでは不動産投資信託(reit)を見ていきましょう。不動産投資信託(reit)は実物不動産投資と比べると始めやすい投資となっています。
J-REITの大まかな仕組みですが、下の図のようになっています。
不動産投資信託(J-REIT)の仕組み
見ていただいて分かる通り、不動産投資信託(reit)とは投資対象資産の購入、資産の運用・管理・賃料収受をJ-REITが代わりに行ってくれて、投資家はJ-REITがあげた収益を分配金という形でもらえるという仕組みになっています。
分配金はJ-REITの法人税控除前利益の約90%が配当として支払われる仕組みになっていることがほとんどです。つまり、実物不動産投資と異なり、投資家には物件の維持管理にかかる手間や必要な知識の必要がないということになります。
不動産投資信託(reit)と実物不動産投資、どちらが良いの?
J-REIT投資と実物不動産投資を一覧で比較してみましょう。
【項目】 | 【reit】 | 【実物不動産】 |
---|---|---|
投資に要する金額 | 数万円程度から可能 | 数百万円から |
値上がり益 | 期待できる | 物件の維持管理状態や立地条件によりまちまち |
流動性(換金しやすさ) | 証券取引所で換金可能であり流動性は高い | 不動産市場で売却する必要があり流動性が低い |
売却時の価格の客観性 | 証券取引所において投資口価格が開示されており価格がわかりやすい | 相対取引での売却が主体であり、適正な価格が分かりにくい |
利回り | 平均3.77% (平均分配金利回り・平成29年4月7日現在) |
物件や立地条件によりまちまちだが、粗利回りで数%~10%台の利回り |
投資にかかる費用 | 投資証券の売買手数料等 | 仲介手数料・物件維持管理費用・固定資産税や都市計画税 |
以上から、大まかには不動産投資信託は実物不動産投資に比較して
- 少額から投資可能
- 換金しやすく価格が分かりやすい
- 利回りはやや低い
- 投資にかかる費用は小さい
という特徴があると言えます。
本記事は大まかなJ-REIT投資と実物不動産投資の違いについて記載していますから、各項目についてより深い解説や、盲点となりやすいメリットやデメリットについては他の記事で解説します。
→不動産投資信託(reit)で利回りを最大化!メリットとリスクを各分類で見よう!
さてそれでは巨額の借金に抵抗感がある方、J-REITから不動産投資を始めてみましょう。
ここからは不動産投資初心者さんに向けて、retiの具体的なメリットについてご紹介していきます。
reitから不動産投資を始めるべき4つの理由
不動産投資信託(reit)をお勧めする理由は
- 『一棟物件の保有を体験できる』
- 『不動産運営を行うための必要情報が丁寧に開示されている』
- 『流動性が高い=売りたくなったら何時でも売れる』
- 『少額からはじめられる』
の4つです。それぞれ解説していきます。
不動産投資信託(reit)をお勧めする理由1.『一棟物件の保有を体験できる』
まず不動産投資において目標とべきは、ワンルームマンション訳文マンションへの投資などではなく、やはり一棟もの物件への不動産投資です。
これらの経験を疑似的に行うという観点では、J-REITは非常に優れています。実際に1棟物件のオーナーシップの一部を保有する訳であり、かつプロフェッショナルの運用方法を見ながら、業界の最先端に触れることができます。
不動産投資信託(reit)をお勧めする理由2.『不動産運営を行うための必要情報が丁寧に開示されている』
reit投資は上場が義務付けられている(東証の管理下である)ため、情報開示が非常に厳しく、その分きちんとしたレポートが整備されています。
つまり物件名、物件の稼働率、費用等の情報も網羅されているのです。
これらの情報を把握することで、1棟物件の管理に必要な項目を理解する事ができるのです。
不動産投資信託(reit)をお勧めする理由3.『流動性が高い=売りたくなったら何時でも売れる』
上場投資信託ですので、売りたいときに投資証券を証券取引所で売買できるため、実物不動産に比較して流動性が高いということもメリットの一つです。
区分マンションの場合、売却に時間がかかりますので、この点ではreitは強くお勧めできます。
不動産投資信託(reit)をお勧めする理由4.『少額からはじめられる』
10万円程度から投資が可能ですので、若い方でも、現金が少ない方でも開始するハードルは非常に低いです。
不動産投資信託(reit)の特徴とは?初心者が始めるべき4つの理由を徹底解説!まとめ
これらの理由により総合的に考えると、筆者は不動産投資を始めるには「REIT(レジデンス系)から勉強する」という方法を、友人にはお勧めしています。
ただし、飽くまで一棟物件の取得のための経験ステージとしてですので、前提としては
- 開示情報全てに目を通す覚悟を持つ
- 保有期間は稼働率と費用項目に着目してみる
ことで、次のステップのための勉強に繋がると感じています。
それでは不動産投資信託を具体的に始めてみましょう。次の記事はこちらです。
→不動産投資信託(reit)で利回りを最大化!メリットとリスクを各分類で見よう!