【新米宅建士へのアドバイス】効率の良い調査・役所調査のコツ

不動産の調査は、はっきり言えば「手を抜こうと思えば抜ける」ものです。
重要事項説明書に記載する必要最低限のことだけ調べれば良いなら、さほど時間もかからないでしょう。

しかし、より深く調査をして誠実に契約当事者に情報を伝えようと思えば、かなりの手間がかかるものになります。
そのため、より良い調査のためには効率よく調査するということも必要になります。

効率の良い調査の順番

不動産の調査は、法務局調査(登記簿・公図・地積測量図等)、役所調査(都市計画等)、現地調査に大きく分けられます。

では、これらの順番をどのように回れば効率が良いのでしょうか。

役所では、都市計画の他に建築計画概要書や台帳記載事項証明書の確認を行うことが非常に重要です。
建築計画概要書や台帳記載事項証明書をスムーズに閲覧するためには、建物の建築年月日を知っておく必要があります。
建築計画概要書等は登記簿上の建築年月日ではなく建築確認申請日や建築確認日を基に検索するのですが、登記簿上の建築・増築年月日や建物の構造・用途を知っておけば建築計画台帳で建物を特定するのがより容易になります。

そのため、一番先に法務局で登記簿や公図、地積測量図や建物図面を取得するのがベストでしょう。
近年は地番・家屋番号さえ分かっていればどの法務局でも全国の登記簿情報が見られるようになりました(閉鎖登記簿等は管轄法務局でしか見られません)。
また、オンラインでもこれらの資料が取得できるようになりましたので、役所調査の前にこれらの資料をそろえることは難しいことではありません。

そのあとに役所調査を行って各種規制等を頭に入れ、現地に行って照合するという調査の手順が最も効率的でしょう。
この手順であれば、例えば私道の幅員は現地で測ってくださいと言われても役所と現地を行ったり来たりしなくて済みます。

もちろん、法務局での調査の前に現地に行って確認する、事前の現地調査を加えるとより丁寧です。
事前の現地調査、調査対象地だけではなく周辺環境まで見て回っておけば役所調査で重点的に調べなければいけない事項も、ある程度経験を積んだ段階であればわかります。

宅地建物取引士が行う実際の実務では、物件調査は不動産売買契約書や重要事項説明書の記載ができれば足りるとしていることが多くなっています。
そして、これらの書類は法務局調査や役所調査だけでも法律上書かなければならないとされている事項については出来上がってしまうものなのです。

そのため現地調査を省略したり、役所調査等の結果を現地と照合して確認することを省略したりしている業者もいるようですが(もちろん個別の企業がどのようにされているかは私には分かりませんし、非常に丁寧にやられている業者もいらっしゃいます。)、これらの手順をしっかり行うことで顧客の信頼を得られます。

以上を考えると、効率の良い調査の順番は

  1. (事前の現地調査)
  2. 法務局調査
  3. 役所調査
  4. 現地で照合を行う現地調査

が基本であると言えるでしょう。

役所調査のコツ

調査の手順のうち、慣れないと時間がかかるのは役所調査です。

役所調査で調べる順番は大まかに以下のようなものが一番基本的であり、効率が良いでしょう。

  1. 都市計画調査
  2. 道路調査(建築基準法上の道路指定があるかも含め)
  3. 建築計画概要書等の調査
  4. 埋蔵文化財調査
  5. 土壌汚染調査
  6. 上下水道・ガス等のライフライン調査
  7. その他の調査

ただし、役所調査には自分ではどうにもならないことで時間がかかってしまうこともあります。

例えば道路台帳の窓口が非常に混んでいて待ち時間が長かった、上水道台帳を調べに行く場所が役所の本庁舎からかなり離れていた、等です。

私個人の話ですが、上水道台帳をどこで調べれば良いか役所で聞いたら、
「ここから大体車で1時間ほど山のほうに行った、浄水場で見られますよ」
と言われたこともあります。

そのため、役所調査の順番はある程度前後させることも考えておいたほうが良いでしょう。

特に慣れていない地域で調査を行う場合、どこに行けば何を調べられるのか、インターネットや電話で事前に調べておくことは必須です。

また、慣れるまでは役所に行ったら総合案内でまず役所の見取り図等をもらいましょう。
そして、主な調査項目について「これはどこの窓口で聞けば良いでしょうか?」と確認しておくとよりスムーズです。

その他、例えば都市計画・道路・上下水道・埋蔵文化財・土壌汚染等の各担当窓口が一つの建物にまとまっているような場合(東京23区や地方中核都市等に多いです)、上の階まで一気にエレベーターで上がって、下りながら調査をしてくるという方法でもかなりの時間短縮になります。

例えば都市計画が2階、道路が7階、上下水道が3階、埋蔵文化財が9階、土壌汚染が5階等といった場合、
まず都市計画を調べるから2階に行って、その次は道路だから7階、それから上下水道で3階…と各階を上がったり下がったりしているとそれだけでかなりの時間のロスになります。
この場合は一番上の階にある9階までエレベーターで上がって、埋蔵文化財から調査、次は7階の道路、5階の土壌汚染…といったように基本の調査の順番を変えて、「建物を下りながら調査する」というようにするとかなりの時間短縮になります。

役所調査は要領よくやるかやらないかでかかる時間がかなり変わってきますから、臨機応変に行うようにしましょう。

纏め

  • 不動産調査はしっかりやると調べる項目が多くなるので、効率よく行う必要がある
  • 基本は法務局調査から行うが、最初や法務局調査の後に現地確認調査を入れるとより丁寧
  • 役所調査にも「こう調べていくと分かりやすい」という基本の順序はあるが、必ずしも守らなくて良い。臨機応変に。
  • 特に慣れない地域の調査の場合、事前にどこに行けば何を調べられるかは確認すべき

 

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