【新米宅建士へのアドバイス】物件調査の際に必要な道具

不動産の調査は大きく分けて現地調査・法務局調査・役所調査に分けられます。
不動産の調査が難しいのは、「全く同じ不動産は二つとして存在しないこと」、「何をどのように調べたら良いかわからないこと」の二つが主な原因だと思います。

物件調査のうち、役所調査をスムーズにするための方法についてはここまででお話ししましたので、ここでは物件調査をする際に携帯すべき道具と使い方についてお話します。
これらを必ずしも常に全て持ち歩かなければいけないわけではありませんが、頭に入れておけばこの道具を持って行かなかったために何度も現地に行かなければならなくなるようなことは避けられると思います。

現地調査の際に必要な道具

現地調査の目的は調査対象となる不動産の確認と、役所調査や法務局調査の結果との照合を行って齟齬がないかを確認することです。

以下のような道具が役に立つでしょう。

住宅地図

地図はできればゼンリン等の詳細な住宅地図を持っていくと良いでしょう。慣れれば住宅地図を見るだけでどういう地域なのか、周辺の状況もイメージできるようになります。

方位磁石

方位は住宅地図や公図で確認しても良いのですが、残念ながら公図の方位はあまりあてにならない場合もあります。そのため、実際に現地で方位磁石を使って土地がどの方位で道路に面しているのか、建物の窓はどの方位にあるのかといったことを確認します。
また、敷地のそばに線路がある場合や、高圧線がある場合、鉄骨建物のそば等では方位磁石が役に立たないこともあります。その場合はそれらの施設から少し離れて方位を確認するようにします。

スコップ

現地調査では境界石を確認して境界確定がされているかどうか、図面や登記簿上の面積と実際の土地の面積が大きくかけ離れていないかということも確認すべきです。
境界確定がなされていない土地もありますが、境界確定されている土地であっても土に埋もれてしまっていて見つからない場合もあります。スコップはそういう時のために境界石のありそうな地点を少し掘って確認するために使います。

メジャー

通常は6m程度のスチールメジャーで十分でしょう。最近は100円ショップ等でも売っています。
これは道路の幅員、擁壁の高さ、隣地との高低差、塀の高さ等を図るために使います。
小さい土地であれば敷地の概測にも使えます。
広い道路に面した土地や、面積の大きい土地の調査をする場合はウォーキングメジャーや、ある場合はレーザー測定器を持っていくと良いでしょう。

デジタルカメラ

現地を目で見て確認するだけでなく、土地の道路付けや周辺環境、境界石、目立った高低差等をデジタルカメラで撮っておくことが良いでしょう。
不動産の取引は現況優先とする場合が多いので、現況写真は当事者にしっかり提示して確認することが良いでしょう。

小型水平器

建物の床等が傾いていないか確認するために使います。
ボール等を床に置いて転がれば傾いていると判断する人もいますが、床の材質等によっては傾いていてもボールが転がらないことがあります。そのため、小型の水平器で確認することが確実です。

法務局調査の際に必要な道具

法務局調査では基本的に登記簿謄本(全部事項証明書)、公図、地積測量図、建物図面、地役権図面等の閲覧をし、写しを入手することになります。
そのため、閲覧・写しの申請書を記載するために必要なボールペン(ほとんどの法務局で備え付けのボールペンが用意されていますが…)以外、あまり必要な道具はないのですが、登記印紙は事前に用意しておいた方が良い場合もあります。

ほとんどの法務局では法務局のある建物内に印紙売場が併設されているか、すぐそばに印紙売場があるのですが、地方で私が経験したケースでこういったものがありました。

法務局に印紙売場はあるだろうと思っていたので印紙を持たずに申請書を書いて、窓口で「印紙はどこで買えますか?」と聞いたのですが、答えはなんと何キロも先でしか売っていないというものでした。
バスも2時間に1本しかなく、タクシーもほとんど通らないような場所でしたので、結局その印紙売場までかなりの時間をかけて往復する羽目になりました。

このような所が今もあるかはわかりませんが、事前に印紙売場の位置を把握してくこと、あらかじめ必要分の印紙は持っていくことも大切でしょう。

役所調査の際に必要な道具

調査シート

あらかじめ役所では何を聞くかということをまとめた調査用紙のテンプレートはネットにも出回っていますし、各社ごとに所定の書式を持っていることも多いでしょう。
これらの調査シートを持っていくことで基本的な事項の調査漏れを防ぐことができます。
調査シートに書ききれないような事項がある場合に備えて、別途メモ用紙も持っていくと良いでしょう。

0.3ミリのシャープペンシルとトレーシングペーパー

市役所では道路台帳や建築計画概要書等を確認することになりますが、これらのコピーをさせてくれない所もあります。写真を撮ることすらダメな時もあります。
こういった場合はトレースさせてもらうことになるのですが、1/1,000の縮尺だったりすると、一般的な0.5ミリのシャープペンシルでは線が太すぎて誤差が大きくなることがあります。
それに備えて、0.3ミリのシャープペンシルはペンケースに1本入れておくと良いでしょう。

三角スケール

道路台帳のコピー許可が下りない場合や、道路台帳に幅員の記載がない場合等、原本にスケールをあてて幅員を確認する必要があります。
また、定規等を持っていない場合は図面をトレースする際に定規代わりとしても使えます。
三角スケールは小さいものであればペンケースに十分入りますから、必ず持ち歩くようにしましょう。

印鑑や名刺

役所で保管している図面の写しを申請する場合、押印を求められる場合がありますから、印鑑は持っていきましょう。通常はシャチハタで十分です。

また、建築関連法規や開発関連法規で疑問点があり、突っ込んだ質問をしたところ「調べて後日回答します」と言われることもありますので、名刺を多めに持っていくと良いでしょう。

小銭

役所調査の際は小銭を多めに持っていくようにします。場合によって紙幣は受け取ってもらえない場合もありますし、道路台帳等を自分でコピーしてくださいと言われた場合、コピー機が紙幣対応でない場合に備えてです。

纏め

いかがでしょうか。これらの道具は概ね私が物件調査の際に持ち歩いているものですが、おおよそ通常の不動産調査であればこれだけあれば十分でしょう。
これだけであればウォーキングメジャーや大きいスコップ(大きいスコップを使うほどの大きな穴を物件調査の際に掘ることはほとんどないですし、しない方が良いですが)以外は十分カバンに入ります。

調査のために現地や役所には行ったけれど、必要な道具がなくて無駄足になってしまったということがないように、事前の道具の準備はしっかりしておくようにしてください。

 

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