【新米宅建士へのアドバイス】建物図面の調査

法務局に備え付けられる図面は、土地の形状等を表した公図・地積測量図だけではありません。
建物図面という図面も備え付けられます。

建物図面は建物がどのように建っているかを表す他に土地の形状も示されていますから、うまく使えばあまりあてにならない公図を補完するものとしても利用できます。

建物図面の記載内容と取得方法

建物図面には建物がどういう配置で敷地に建っているか、壁面が道路や隣地の境界線から何mの位置にあるか、複数階の建物であれば各階の形状や長さはどうなっているかが記載されています。

尚、各階の形状については壁面の形状(つまり、外側から見える形状)だけの記載で、間取りやエントランスの位置等は記載されていません。

建物図面は法務局やインターネット登記取得サービスで取得します。
その際に家屋番号の特定が必要になります。
家屋番号の特定方法は、売主から聞く他に、ブルーマップ等で土地の地番が分かっていればインターネット登記取得サービスの中からある程度の地番の範囲を指定して家屋番号検索によって推定します。この場合、土地の地番と同じか、分筆・合筆前の土地の地番と同じ家屋番号が付いていれば調査対象の建物ではないかという推定ができます。

同じ地番の土地の上に何棟もの建物が建っている場合もありますから家屋番号の推定方法はある程度慣れが必要になりますが、調査物件の所在地を管轄している法務局であれば、登記閲覧申請用紙に土地の地番を記載した上で「土地上の建物全部」と書いて閲覧申請をすることができます。
こうするとその土地の上に登記されている全ての建物の建物図面が見られますから、そこで調査対象の建物かどうか、面積や位置等を確認した上で該当する建物を特定して写しを申請します。
尚、現在はどこの法務局でも国内全ての土地建物の登記簿や公図・建物図面等が取得できるようになりましたが、このように「土地上の建物全部」と書いて閲覧させてもらえるのは調査物件の所在地を管轄する法務局に限られます。

また、土地上に建っている建物が分譲マンション等の区分所有建物であった場合、土地上の家屋番号はやたらと沢山出てきます。
区分所有建物の場合は、それぞれの部屋を1つの建物とみなして登記しますので、その数だけ建物図面が存在するためです。
このときは、全ての区分所有部分の建物図面を取得すると膨大な量になりますし、印紙代もかさみますから、通常は取引の対象となる区分所有部分の家屋番号のものだけを取得すれば良いでしょう。
その場合でも区分所有部分の他に、一棟全体の建物の形状を示す図はついてきます。

公図があてにならない場合の建物図面の利用方法

他の記事で、「公図はあてにならない場合がある」ということを紹介しました。

公図があてにならず、地積測量図もないような土地の場合、土地のおおよその間口や奥行をどのように確認すれば良いか迷うこともあると思います。

そのような場合は、建物図面を公図の代わりとして代用して考えることができます(但し、取引等の際それでよいかは別問題なので混同しないようにしてください)。

建物図面には土地上の建物の形や位置が記載されています。ということは、敷地の形状等も建物図面に記載する必要があるわけです。

そのため、公図があてにならない場合は簡易的に公図の代用として利用することができます。

建物図面と建物登記簿との関係

建物図面は基本的には建物登記の申請の際に登記簿と同時に整備されます。

ここで、一つ建物登記簿を見る際に知っておくべき点を補足説明します。

例えば建物図面で以下の通りの記載がされていたとしましょう。

この建物の実際の敷地となっているのは地番1番1、1番2の他、1番3も建物の敷地となっています(建物附属の平置駐車場等をイメージしてください)。

建物の登記簿には「所在」として建物が建っている土地の地番が記載されます。
しかし、上の図のように建物が地番1番3の上にはない場合は、所在の欄に

「○○市□□町1番地2、1番地1」

以上のように記載されます。

つまり、「建物が建っていない地番」、ここでは地番1番3は記載されないのです。
だからと言って、土地の調査範囲は1番1と1番2の地番だけで良いとしてはいけません。
登記簿上には表れていませんが、取引の対象となるのはこの場合地番1番3も含まれるからです。

建物登記簿の所在欄には、「建物が物理的に建っていない土地の地番は記載されない」ということは頭の片隅にでも入れておいてください。

仲介業者の方が物件調査をする場合、物件の地番も家屋番号も分かっていることが多いとは思いますが、だからこそ物件の範囲が良く分からない場合のことは知っておくことがあります。

現地でチェックするポイント

建物図面を入手したら、現地では公図や地積測量図で土地の形状や間口・奥行等を確認したのと同じように、現地の状況と照合します。

チェックするポイントは、建物図面に記載されている建物の形状と現地の建物の形状とが一致しているか、違いがあればどこが違っているかがメインとなります。
例えば建物が新築後に届出なく増改築されている場合はその増改築部分は記載されませんので、改めて現地との照合は必要になります。

その他、建物図面に記載されている道路や隣地からの壁面の距離が正しいかどうかもチェックしておくと良いでしょう。

もちろん、公図があまりあてにならないような場合は建物図面を利用して土地の形状や間口・奥行等も照合しておくようにしましょう。

纏め

  • 建物図面は建物の配置・形状、壁面の位置等を示す
  • 建物図面にはエントランスの位置や間取りは示されない
  • 公図があてにならない場合は簡易的に公図の代用としても利用できる
  • 建物登記簿には一体として利用されていても「建物の敷地」となっていない土地の井版は表示されないので、建物図面と併せてチェックすべき
  • 現地では建物図面と現実の建物を照合して相違がないかチェックしておく

 

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