【新米宅建士へのアドバイス】上下水道の調査(現地調査編)

現地で上下水道の調査を行うと言っても、本管は道路の下に埋まっており掘り返すことはできませんので、本管については上下水道台帳を信頼するしかないでしょう。
しかし、以下のような現地確認を省いたため、仲介業者が損害賠償請求をされたというようなケースもありますので、現地での上下水道調査を怠ることはできません。

上水道のチェックポイント

上水道については、以下のような点に注意します。

水道の引込位置

敷地前の道路には、水道の引込位置に印がつけられていることがありますので、まずは子の引込位置を探します。
これが見つからない時は敷地内で量水器を探しましょう。地面に小さな蓋が付いていて「量水器」と表示してある場合がほとんどです。
見つかったら敷地内のどの位置かを記録しておきます。

水道メーター

量水器の中には水道メーターがありますので、ここで水栓番号を調べて記録しておきます。
水栓番号は水道局で給水装置の所有者を調べる際に必要になります。

通常は不動産取引にあたって売主から買主に水道メーターの名義変更手続をするのですが、売主によっては自分の名義のものだからと勘違いして水道メーターを外して持っていってしまう人がいます。
水道メーターがなければ水が出ませんので、これを確認しておかなければ「物件の瑕疵」にあたることになります。
この点の確認を見落とした結果、取引を仲介した業者が損害賠償を請求されることもありますから、注意しておかなければなりません。

尚、この場合は重要事項説明書等に「給水装置の名義変更手続きが必要である」と記載する等して買主に告知しておけば仲介業者が損害賠償責任を負うことはありません。

下水道調査

下水道では現地で以下の点に注意します。

道路のマンホール

下水道が整備されていれば、物件近くの道路にマンホールがあるはずです。
このマンホールの蓋を見て、公共団体名が入っているかどうかを確認します。

公共団体名が入っていれば公営の下水道なのですが、公共団体名がない場合は注意が必要です。
下水道台帳を確認した時に「公営下水道はありません」と言われていて、更に現地で公共団体名のないマンホールがある場合、企業が整備した下水道(旧来社宅等が密集していた土地等で多いです)であったり、地元の町内会等が整備した下水道であったりと、私設の下水道である場合があります。

役所の下水道局等で質問すればわかることですが、このような時はその下水道を整備したところに行く必要があります。
このような私設の下水道の場合、土地を購入して新たにその地域に入り、その下水道を使う人に対して下水道維持費や下水道管理費等の名目で費用を請求することがあるからです。
費用の徴収方法は入居時にいくら(数万円~十数万円程度のことが多いでしょう)という他、月額いくらという方法が多いですが、いずれにせよこれらの費用の存在は宅建士が重要事項として買主に説明しておく必要があります。

敷地内の調査

前面道路に下水道が入っていれば、通常は敷地内に下水道枡があるはずです。
下水道枡があればいわゆる本下水となり、最も衛生的な排水方法となります。
前面道路に下水道のマンホールがあり、敷地内に下水道枡がない場合は下水道を担当している役所窓口で改めてなぜないのかを確認します。役所が工事をし忘れていることがあるからです。(この場合は大抵申請すれば無料で工事してもらえますが)

また、下水道枡があっても旧来の土地の所有者がそれを使用しておらず、個別浄化槽のままとなっている土地もあります。
これは前面道路下の下水道本管から敷地内の汚水枡までの工事費は役所負担ですが、汚水枡から建物までの工事費は自己負担となるためです。
この費用負担を嫌って個別浄化槽のままとしている土地もないわけではないので、注意しておきましょう。
買主が土地を購入した後、下水道本管を利用するためには工事費の負担が必要になるためです。

旧来の個別浄化槽方式のままの土地かどうか外観から調べるためには、浄化槽ポンプの有無を探します。
浄化槽ポンプは通常は小さなボックス(高さ10~15cm、幅15~20cm程度が多い)で、ほとんどの場合地面に据え置きです。モーター稼働式ですから、稼働していれば振動しています。
このポンプは建物の外壁等のコンセントからつながっているはずです。この浄化槽ポンプがなければ本下水に接続している土地ということになります。

ここで現地調査について一番大切なことをお話ししますが、現地調査で大切なことは全てにおいて先入観念を捨てることです。

前面道路に下水道の本管が通っており、敷地内に下水道枡があるからこの土地は下水道を使用している土地であるという思い込みがあれば、「あえて個別浄化槽のままにしている」ということを見落としてしまうことになります。

前面道路の幅員等もそうですが、物件調査においては基本的に「全てのことの裏を取る」くらいの気持ちで臨む方が良いでしょう。

纏め

  • 上水道は水道の引込位置と量水器を確認し、水道メーターの水栓番号を確認する
  • 下水道はまず前面道路の下水道が公共管理か私設かを確認する
  • 下水道枡が敷地内にあっても必ずしも下水道利用可能な土地とは限らない
  • 上下水道調査に限らず、物件調査では「先入観は捨て、裏を取る」という心構えで

 

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