【不動産投資】賃貸併用住宅のデメリット及び失敗事例 建築編

賃貸併用住宅にはいくつかのデメリットがありますが、これを進める業者がデメリットをきちんと説明しているのかは分かりません。

そのため、デメリットとして考えられるものをいくつかお話しします。

本記事は建築・設備面に関して説明します。

戸建住宅と比べると建築コストが高くなる

賃貸併用住宅のイメージは下の図の通りです。そして、自宅、各貸室のそれぞれにキッチンや浴室等、一通りの住宅設備が必要になります。

【賃貸併用住宅の一例】

2階 貸室 貸室 貸室
1階 自宅
土地

一世帯用の戸建住宅であれば、2階部分の個室には水回りや浴室、それに伴う配管等は必要がなく、1つだけでいいのですが、貸室分これらの設備が余分に必要ですから、その分建築コストが高くなってしまいます。また、エアコン等の空調設備も貸室数分独立して必要になります。
また、戸建住宅であれば通常は木造、または鉄骨造であろうと思いますが、賃貸併用住宅にして騒音対策が必要と考えるならば、どうしても鉄筋コンクリート造にするか、特殊な謝恩構造とする必要があるでしょうから、建築コストはより高くなります。

【失敗事例】
設備部分に関して、特に水回りやキッチン部分のコストがかかるため、これらのグレードを下げたところ、入居者がなかなか入らなかった、または家賃を予定より値下げして入居してもらわざるを得なかった。

例えば、ワンルームタイプの貸室にする場合、都市部ではキッチンにはガスコンロを使わずにIHヒーターを入れるのが一般的です。
これをIHヒーターはおおよそ本体+設置工事費で1台当たり30,000円前後の取り付けになりますが、この部分でコストを少しでも削減しようとして電気コンロ(本体+設置工事費は1台当たりおおむね15,000円~高くても20,000円)にしたとします。
電気コンロは電源を入れてから熱くなるまでに時間がかかり、また調理が終わった後冷めるまでにも時間がかかりますから、入居者にとっては扱いづらいものです。また、掃除もやりにくいため不人気の設備です。
そのため、この点で設備面のマイナス評価をされてしまうということにもなりかねません。

都市部ではワンルーム入居者も設備の使い勝手には敏感になっていますから、設備面はどの程度か良く見られていると思った方が良いでしょう。

間取りの変更が難しい

将来子供が生まれたり両親と同居する必要が出てきたりして、自宅部分に用意しておいた部屋数よりも多くの部屋が必要になることもあります。
両親と同居であり、貸室部分が十分な広さが用意されているのであれば一室を転用して2世帯タイプの住宅+賃貸部分という使い方をしても良いのでしょうが、多くの場合は賃貸併用住宅プランの貸室はワンルームタイプです。
貸室部分をワンルームタイプにし、部屋数を多くした方が面積当たりの賃料単価は高くなる傾向がありますから、ワンルームや1Kタイプを進める業者が多いでしょう。
この場合、両親と同居することになってワンルームでは両親用の部屋として手狭だとなった場合、壁を抜くなどして建物の構造自体を改造する必要が出てきて、余分な費用がかかります。また、その時点で入居者がいた場合、代替物件を探して引っ越し代を負担する等の交渉をして出ていってもらう必要もあります。

戸建住宅に比べてより広い土地が必要になる

賃貸併用住宅を建てるならば、おおよそフロアごとに家族用の自宅のフロア、貸室のフロアと分けることが通常です。
入居者と家族とが常に良好な関係を保っていれば問題はないのでしょうが、入居者は数年単位で入れ替わりますし、しかも家族は入居者にとって大家にあたるので、お互いに家賃のやり取りをしたり要望に関する交渉をしたりするような場面もありますので常に良好な関係を保つことは中々難しいでしょう。
そのため、家族用のフロア、入居者用の貸室フロアを分けておくこともリスク回避策のひとつではあります。
但し、その場合、家族用の住宅部分はどうしても平面で広くする必要がありますから、戸建住宅に比べると土地はある程度の広さが必要になります。また、自宅部分のエントランスと貸室部分のエントランスは別に設けておく必要がありますし、駐車スペース・駐輪スペースも確保する必要があります。更に共用スペースも必要になるので、意外と賃貸併用住宅は平面的なスペースが必要になるのです。
土地がやや手狭な場合、1階、2階を家族用、3階を入居者用の貸室とすることも可能ですが、その分貸室部分の面積が少なくなるため利回りは低くなってしまいます。
もちろん4階建、5階建として手狭な土地を立体的に有効活用することも考えられます。

5階 貸室 貸室 貸室
4階 貸室 貸室 貸室
3階 貸室 貸室 貸室
2階 自宅
1階
 土地

しかし、この場合通常4階建以上からは日影規制がかかってきますし、3階建までであっても高度地区の規制や斜線制限等の建築関係法令の規制があります。
土地の形等も影響しますが、一般的には狭い土地にペンシルビルのような細長い建物を建てようとしても、これらの規制によって建築不可となる場合が多いですから、十分に注意しておかなければなりません。

【失敗事例】
80㎡の土地に賃貸併用住宅を建てようとして概略の建築プランを入れてみたところ、建築規制によって十分な自宅面積、貸室面積が確保できなかったため、当初予定よりも小さい建物にせざるを得ず、自宅の広さ、貸室からの収入に関して十分なものが確保できなかった。
またはより広い土地を探して希望ではなかったエリアに住まざるを得なかったり、土地代が多くかかってしまいローン返済額が高くなったりしてしまった。

自宅の広さ、貸室からの収入等、十分に満足いく建物が建てられる土地であるのかは、概略でも建築プランを入れてみないと分からないところです。そのため、このように当初の希望に沿わない建築プランになってしまったり、より広い土地が必要になってしまったりする可能性もあることは十分に注意しておく必要があります。

入居者入替毎に貸室部分の内装リフォームが必要になる。

一般的に賃貸アパートに関しては入居者が入れ替わる毎に壁紙の張替、浴室の修理・入れ替え、キッチン回りの設備点検や補修・入れ替えをする、内装リフォームが必要になりますから、この部分の費用が必要です。この点でリフォームが短いサイクルでは必要のない自宅よりもコストがかかります。このリフォーム費用はおおむねの相場ですが、最低でも坪当たり5万円はかかるとみておく必要があります。

【失敗事例】
前の入居者が退去する

次の入居者を募集する

空室の状態の部屋に内覧をしてもらい、気に入ってもらえば契約・入居

というのが入居者入替サイクルですが、ここで注意しておきたいのは内装のリフォームは前の入居者が退去した時点でやっておくことが望ましいということです。
失敗事例では、リフォーム費用を節約しようとして、次の入居者が入居を決めてから内装リフォームを計画していました。
そのため、次にその部屋に入居しようか検討しに内覧に来た入居者が、内装が古ぼけているため気に入らず入居を決めてもらえない、ということが続いて長期間空室になってしまったという状態です。

この点でも、貸室の内装リフォームはこまめにしておくべきだということになります。

纏め

・賃貸併用住宅は水回り等の住宅設備が自宅+貸室数分必要になるので建築コストは高くなる
・将来ライフプランや家族設計に変更があった場合はリフォームが必要になるが、自宅に比べると難しい
・賃貸併用住宅は共用スペースが必要になるため、ある程度広い土地が必要になる
・将来の内装リフォームが必要になる

 

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