不動産投資とはどんなもの?

不動産投資は、その名の通り、利益を得ることを目的に不動産に投資することです。

アパートやマンションなどを購入して家賃収入を得たり、物件の売却により利益(売却益)を得たりすることを言います。

しかし、他の投資との違いや、どんなリスクやリターンがあるのかよくわからないという方も多いと思いますので、本記事では不動産投資とはどんなものかを基本からわかりやすく紹介します。

 

不動産投資は「千三つ」ではない?

一般的に言うと、不動産投資と言うと、リスクが高く、素人が近づくものではないというイメージがあります。

不動産は「千三つ」、つまり多数ある物件の中に当たりは千に三つしかないと昔からいわれ、それほど手を出すことは危険であると思われてきました。

また、少額からはじめることはできない不動産投資は、失敗した場合の損も大きいため、危険ばかりが大きいように感じられています。

不動産投資の場合、ちゃんとした知識をつければ、安定した家賃収入を得ることができます。もちろん、成功の程度は人それぞれですが、少なくとも周りに毎月赤字で困っている人は一人もいません。

たまたま良い物件が手に入ったというよりも、知識をつけさえすれば、誰でも確実に利益を上げられる投資方法だと断言できます。

 

他の投資と比べたときの不動産投資

株式投資やFX投資の場合、10年で資産を10倍に増やす可能性もありますが、投資先が破綻した場合には株式は紙くずとなり、資産をゼロに減らしてしまうリスクも伴います。

つまり、株式投資やFX投資の方が、ハイリスク・ハイリターンの投資なのです。

一方、世の中には定期預金や長期国債などのローリスク・ローリターンの投資もあり、金融機関が破綻しない限り、預金に対して利子が支払われます。金保険制度があるため、預金のうち1,000万円までとその利子は国によって保証されています。

資産を失う可能性は限りなくゼロに近い半面、今の超低金利の時代では、リターンを考えると有効な投資とは言えません。

 

それでは不動産はどうでしょうか?

不動産経営では短期間に資産が2倍や3倍とならない代わりに、土地がある限り価値がゼロになることはありません。

例えば、5,000万円の物件を買い、後に売ることになっても、5,000万円で売れれば損はなく、4,500万円でしか売れなくても、購入金額をすべて損するわけではありません。

但し、貸していた部屋が空室となったり、土地価格が下落したりする恐れがあります。

このため、株式よりはリスクは低いものの預貯金よりはリスクが高いといえるため、ミドルリスク・ミドルリターンの投資商品であるといわれています。

そういう意味で、不動産投資は株式投資やFX投資に比べるとリスクは少ないといえるでしょう。

 

不動産投資はミドルリスク・ミドルリターン

投資の世界では利回りと呼ばれるリターンについての理解が必要です。1年間で投資金額のどれくらいを回収できるかを%で表したものが利回りです。

1,000万円で買った物件の家賃収入が年間100万円なら、表面(グロス)利回りは10%となり、10年間で投資金額を回収できるのです。

年利0.1%以下では、定期預金の場合1,000万円預けても利息は年に1万円もつきません。しかし、不動産投資の場合、利回り10%程度の物件は多数あり、20%、30%の物件も探せばあります。

利回り20%なら理論上は5年で物件購入価格が回収でき、投資金額を回収してしまえば、あとは税金や維持費などを除くと、家賃収入の大部分が可処分所得になるので、将来の経済的安定のためには充分なリターンが得られるでしょう(現実には物件価格以外の経費がかかるため、経費の回収も含めると投資金額の回収の期間はもう少し長くなります)。

つまり、ミドルリスク・ミドルリターンの不動産投資は、ある程度の時間をかけて将来の経済的安定を図るためにはもっとも有効な投資といえるでしょう。

 

不動産投資は競争相手が少ない

突然ですが、自分のまわりにいる人で不動産投資をやっている人はどのくらいいるでしょうか?思い浮かんだ数はかなり少ないのではないかと思います。

最近でこそ、不動産に関する専門書やセミナー、広告が多くあり、不動産に興味がある人は潜在的に多くなっていますが、不動産投資は、金銭的な参入障壁の高く、株式投資やFX投資に比べると少ないです。

マンションの区分所有や戸建てでも最低数百万円からの投資になるため、始めるには資金だけかなりの勇気も必要でしょう。

 

また、優良物件を見つけるのは相当な調査分析が必要で、リスクが高そうだからという先入観があるため、実際に行動を起こす人の割合は限られているという印象です。

『不動産投資で資産拡大ができる』と聞いても、多額の借金をしてまでチャレンジすることに大きな抵抗があるのだと思います。

そのため、昔から不動産投資のプレイヤーは、地主さんや富裕層の方々がほとんどで、不動産投資をやっている人は極少数派だということが実感できるはずです。

 

しかし、物件は建てたら終わり、買ったら終わりで、あとはお金を自然に生み出してくれるわけではありません。いかに入居者を集め、満室で経営していくか、本当に大事なのはそのあとなのです。

そこで、新規参入組でも、事業として真剣に取り組み、投資効率を高める新しい手法や物件のアイテムについて日々考えていけば十二分に勝機があるのです。

 

不動産投資のリスクとは?

不動産投資にはメリットばかりではありません。リスクをきちんと理解・把握し、それに備えた投資検討が必要です。

以下は、不動産投資に関する6つのリスクです。

 

空室リスク

不動産投資の最大のデメリットは空室リスクです。

万が一、手持ちの不動産が空室となり、なかなか次の入居者が決まらない場合、当然ですがその間は賃料を得ることができません。

ローンの支払いがある場合は、賃料収入を得ることなく、そのローンを支払い続けなければなりません。

 

保有する費用

株式投資やFX投資と異なり、不動産は保有するためのコスト(固定資産税、都市計画税、管理手数料等)がかかります。

しっかり事前に計算に入れておく必要があります。

 

デフレに弱い、レバレッジが逆に働くことがある

デフレにより、所有する不動産価格や賃料相場が下がることもあります。

一方借入金は変化しませんので、保有する不動産を売却してもローンの残債の全てを返しきれない、ということもありえます。

 

風評被害リスク

保険に加入することである程度は対処できる倒壊、火事、地震といった危険は問題ありませんが、最も怖いのは自殺や死亡事故、殺人事件が起こった場合です。

それが原因で入居者が出て行ていくことや、次の入居者に対しても説明義務が生じるため、空室が続くことも考えられます。

一度悪い評判が立つと、事件や事故のあった部屋だけではなく、建物全体がいつまでも風評被害にさらされることもあります。

 

元本保証がない

国債など、元本保証がなされている金融商品と異なり、不動産投資には元本保証がありません。

保有している間に、不動産価格が下がれば、売却してもトータルの利益が当初の投資額以下になることもありえます。

 

流動性の低さ

不動産は、株式投資やFX投資と違い、何かの事情で急に現金が必要になった場合でもすぐに現金化することができません。

高額な不動産取引では買い手も慎重になるので、売りに出してから決済まで最低でも1ヶ月以上はかかります。現金ではなく融資を受けてローンで買う場合ならさらに長引くかもしれません。

 

取り扱う金額が大きい

取引金額が大きい不動産投資では、万一失敗してしまった場合のリカバリーが容易ではありません。

また、簡単に売れるものではないので、見切りをつけて別の物件をすぐに買うこともできません。

さらに、融資を受けて購入する場合は、長期間返済の債務を負い続けることになります。

特に、変動金利での返済比率が高い場合は、危険度も高くなります。

 

おわりに

いかがでしたでしょうか。不動産投資がどういうものかなんとなくイメージできましたでしょうか。

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